武蔵野東学園広報 第25号 【オンライン版】    平成19年(2007年)7月19日発行

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中学校

  アザラシ型ロボット“パロ”

 『人の心を豊かにするメンタルコミットロボット』としてギネス記録にも公認されているアザラシ型のロボット、パロ(PARO)が、7月4日に中学校にやってきました。これはある方からの寄贈によるもので、当日はパロを研究開発した柴田崇徳博士から生徒に手渡されました。
 パロはタテゴトアザラシの赤ちゃんがモデルで、全身が白い人口毛皮に覆われています。メンタルコミットロボットと言われるのは、人と共存して、人との相互作用で楽しみや安らぎなど精神的な働きかけを行うことを目的にしているからです。パロは優れた視覚・聴覚・触覚・運動感覚があり、触れる人や環境の状況を感じることができます。光の変化を感じたり、名前を学習したり、挨拶や褒められる言葉などを理解したり、なでられたり、抱っこされたりすることを感じることができ、このような人とのふれあいから、パロにも心や感情があるかのように内部の状態が変化して反応の仕方が変わったり、鳴き声を出したり、飼い主の好みの行動を学習したりします。パロの鳴き声は、本物のタテゴトアザラシの赤ちゃんの鳴き声を使っているそうです。
 ところで開発者の柴田博士は、つくば市にある産業技術総合研究所に所属して知的インターフェースの研究をしている若き研究者です。日本最年少(25歳)で工学博士になり、以来、数々の賞を受け世界中で研究活動をされています。本校とのご縁は博士がボストンに滞在された折にボストン東スクールを知ったことからで、最近のタイにおける研究では、パロが自閉症の子どもたちのコミュニケーション能力の向上に役立つことも実証されているとのこと。 

 贈呈式では、生徒から開発者柴田博士への質問もありました。
●生徒「なぜ、このようなロボットを開発しようと思ったのですか?」

柴田博士「人間の仕事に役立つロボットが一般的ですが、人間の心にはたらきかけをするロボットにも大きな役割があると思うからです。」


●生徒「パロの制作で大変だったことはどんなことですか。」

柴田博士「こわれにくくするための対処や、本物に近づける工夫、芸術性などです。」
 今後、パロのお世話はCDEクラスの生徒が担当します。『人の心を豊かにする』ロボットは、これから生徒の新しい友だちになることでしょう。

 

柴田博士から“パロ”の贈呈

“パロ”をかこんで
 職業観に関する講演会

 昨年に引き続き、今年も保護者有志の方が職業観に関する講演会を企画してくださいました。これはABクラス「生命科」『将来観』の単元で、職業についての視点を持つことを目的に行われたものです。
 今年度第1回の6月16日には、損害保険会社に勤めるお父さんと、IT関連企業で営業を担当するお父さんが講演してくださいました。最後の質問コーナーでは「保険金詐欺は本当にあるんですか」「英語は必要ですか」「仕事をする上で大切なことは何ですか」などの質問にも丁寧に、そして社会で実戦的な仕事をしてきたお父さんならではのお答えをいただき、生徒たちは普段教室で「英語を勉強しなさい」などと言われる時よりも深く肯いていました。3年生はそろそろ進路選択が気になる時期、そして昨年から通算3回目の講演となり、かなり印象深い経験となったようでした。
<3年生の感想から>
・チャレンジする気持ちが必要なんだと思い、ハッとしました。
・会社に入ってからも勉強する、ということが印象に残りました。
・締切についてのエピソード、学校でも締切、締切と言われているけ れど、社会に出ても同じなんだなと思いました。
・仕事では誰でも失敗はするだろうし、謝るという基本的なことが 大事なんだなと思った。
・仕事仲間のことも気遣わなければならないし、コミュニケーション面も仕事では必要とされているんだなと思った。

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