何事も一歩ずつの前進を

Heart to Heart(第27号)平成2612月1日発行

本年も早や師走となりました。子どもたちはこの一年間を、それぞれのプログラムを通してよく頑張ってくれました。

 その成長に目を瞠るお子さんもたくさんいます。教育センターで受講している子どもたちは、小・中学生はもちろん、幼児も多くは地域の保育園や幼稚園に通っていますが、これまでにも教育センターの療育を受けるようになって、あいさつができるようになったことや洋服をたためるようになったことを幼稚園の先生にほめられたとか、センターでの発表練習のおかげで学校でも自信をもって発表できるようになったなどと、センターの療育での学びが他の場で活かされている数々の報告をいただいています。

さて、この10月末に個人懇談を行いましたが、その中から幾つか保護者の皆さんの感じていることを取り上げてみます。まず目立ったこととして、発達が早い幼児期ということもありますが、とくに幼児スクールの保護者から、行事や集団活動に参加できるようになったこと、自分からやってみようという意欲をはじめ認知や言語の力が高まってきたこと、人間関係が少しずつ築けるようになってきたことなどの報告が多くありました。同時に小学生以上の子どもたちのうれしい報告も数多く受けています。

反面、懇談ではいろいろな悩みも聞かれます。現在学校に登校できず、活動がセンターのみに限られているお子さんがいたり、教育センターでは笑顔で友達と交流したりするのだが、学校では泣いたり叫んだり机を倒すなどして主張することが多いとか、学校の授業に集中できず、思い通りに行かないと鉛筆やメガネを投げたり友達を叩いたりするとか、あるいは学級崩壊しているなどという、地域の学校の悩ましい現状やセンターとのギャップの報告が多くあります。また年齢とともに出てくる課題もあります。クラスの同級生や保護者に、本人について何らかの説明をする必要性を感じるようになったという方、それから低学年ではさほど問題がなかったが3年生になって対人関係における何らかのトラブルを抱えるようになってきたという方が複数いました。さらには、自分のことを「障害があるの?」と聞いてくるようになったという方もいます。まさに年月の流れとともに成長を感じてよろこび、また新たな課題が出てきては心配するという連続であると言えましょう。

教育センターではこのような個々のさまざまな事情も受け止めながら、お子さんへの対応や保護者の方への助言などを通して精一杯支援をしていきますので、保護者の皆さんは必ず突破できることを信じつつ、何事も一歩ずつ前進することを心がけていただきたいと思います。

この年内をお子様共々お元気にお過ごしくださり、どうぞ爽やかな心で新年を迎えられますようお祈りいたします。

 

長内所長からのメッセージに戻る  教育センターへ戻る