夏の暑さにー歩きの効用

Heart to Heart26 平成2671日発行

昨年は猛暑が続きま したが、今年の夏の暑さはどうでしょうか。夏休み中にお子さんが暑さ負けをしないように過ごしていただきたいと思います。こうした夏場の対処として言われることは、生活リズムをととのえるということです。そのためには、早寝早起きの十分な睡眠と規則正しい食生活、そしてとくに子どもの場合、戸外での適度な運動を欠かすことできません。

この戸外での運動を考えときに、何から始めたらよいのか悩まれるかも知れません。普段から水泳教室に通っているとか、サッカーチームに入っているなどというお子さんは多くはないでしょう。発達障害の子どもたちは、体の使い方がぎこちないということがよく言われますが、運動の基本である歩きにしても不自然に感じられるさんが少なくありません。日常生活の中で手っ取り早くできる運動の一つとして、この歩くということに着目したらいかがでしょうか。最近は不健康な体の状態を改善したり、予防したりするのに適した無理のない運動ということで、このウォーキングを実践している人が多くなりました。人間の基本的な生活行動である「歩く」という行為は手軽できる運動で、体づくりの途中にある子どもにとっては身体機能の発達を促すことにつながります。

学説によると、人間の脳の発達の4分の1は歩くことによってもたらされたものだそうです。歩きは、7、8割近い体の筋肉をまんべんなく動かすことになる全身運動で、その結果、新鮮な空気を取り込んで内臓の働きを活気づけ、血液の循環を促します。筋肉の知覚神経が刺激を受けて脳幹の働きを活発にし大脳によい刺激を与えるという作用は、子どもの発育にぜひとも必要なことです。歩くことによって基礎代謝量が増え筋力が作られるわけですが、姿勢を支える筋肉の一つである大腿筋が鍛えられるので、姿勢がよくなります。バランス感覚なども磨かれてくるかも知れません。

何事も無理はいけませんが、やはりある程度時間をかけて歩くことが大切かと思ます。長めの散歩でもいいですし、夏休みにはご家族でハイキングに出かけるのも楽しい一日になります。木々の葉が陽の光にきらめいたり風に吹かれてざわめいたりする空間にいるだけで、知らぬ間に体中の細胞が元気を取り戻します。山道歩きなどは、本来体の小さい子どもの方が大人より得意なものですので、お父さんお母さんの健康増進を兼ねてぜひトライしてみることをお勧めします。ほどよいハイキングは子どもに達成感と自信をもたらしますので、きっとお子さんは体を存分に使うこれらの活動が大好きになってくるかと思います。

この夏には親子共々十分に英気を養い、9月にはまた元気に教育センターに通ってきてください  

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