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学園の概況
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 学園のあゆみ

 武蔵野東学園は、「心と体の健やかな子どもを育てたい」という親の願いをこめて設立された武蔵野東幼稚園1964年(昭和39年)・東京都武蔵野市〕からスタートした学園である。開園時に志願者の中にいた自閉症児を受け入れたことがきっかけで、健常児と自閉症が分け隔てなく共に学ぶ体制『混合教育』と、自閉症児への愛と根気による独自の教育『生活療法』が始まった。
 教育困難といわれていた自閉症児に教育の成果が表れるにつれて、全国から入園希望が殺到した。その後、卒園後の就学先で再び状態が悪くなる子どもがいたということもあり、「武蔵野東幼稚園と同じ教育方針の小学校を設立してほしい」という強い願いが親たちから出てきた。この願いが創立者や教師の思いと一体となり、当時文部大臣をされていた奥野誠亮先生の温かいご支援も受け、武蔵野東小学校1977年(昭和52年)・武蔵野市〕を設立、同様の事情から6年後に武蔵野東中学校〔1983年(昭和58年)・小金井市〕を、さらに3年後には自閉症児の社会的自立のための職業教育の場として武蔵野東技能高等専修学校1986年(昭和61年)・武蔵野市〕を設立した。
 学園の創立者は北原勝平と北原キヨである。学園の教育のすべてを創出し構築した北原キヨは、教育に身を捧げ尽くして1989年(平成元年)1月14日急逝(63才)、1995年(平成7年)4月16日には北原勝平が逝去した。遺業を受け継いだ教職員は、北原キヨが作り上げた『混合教育』と『生活療法』をさらに発展させるべく、日々実践と研究に取り組み現在に至っている。本年度(平成20年度)で、学園は44年目を迎える。

 学園の特色

 学園の最大の特色は、健常児と数多くの自閉症児がともに学びあう『混合教育』と、自閉症児の自立を促進する『生活療法』であり、また、自閉症児や健常児の双方にみられるその教育成果の大きさにある。そのため学園の教育に関心をもち、見学・参観に訪れる人は、自閉症児の保護者のみならず、教師、研究者、さらには教育・福祉を学ぶ学生など、多岐に亘る。見学・参観者を併せ毎年700〜800名の訪問を受けている。

 学園の教育成果の一端をあげると次の通りである。
平成19年度までに卒業した自閉児 590
一般就労 297 50.3
福祉就労 209 35.4
上級校進学 75 12.7
その他 8名 1.4
 平成19年度(2008年3月卒業)までに高等専修学校を卒業した自閉児は590名、そのうち企業等への一般就労は297名(50.3%)、作業所等への福祉就労は209名(35.4%)、専門学校等の上級校への進学者は75名(12.7%)。教育は困難といわれている自閉症児であるが、幼児期の身辺自立から始まり生活自立、さらに社会自立にむけ一貫教育の成果は、上記の数値からみて世界に類がない。平成18年度1月竣工の北原記念館に、インターンシップの場としての「チャレンジショップ」とショートステイのできる「友愛寮(在校生の寮・卒業生のグループホーム)」を開設した。これにより3歳から親亡き後までの体制が整備されつつある。

 混合教育の成果

 自閉症児とたえず接している健常児は、障害のある友だちに対しての接し方や心構え(「生きた福祉の心」)を自然に身につけるだけでなく、自閉症児の努力する姿に刺激されて、自己の可能性に挑戦する気構えが育っている。中学生に例をとれば、学習と部活動またはボランティア活動などを両立させつつ、難関校といわれる国・公立・私立高校に多くの者が合格し全員が上級学校への進学を果たしている。また部活動においては平成19年度8月、体操競技部は4年連続全国大会に出場し、男子団体で第1位、個人総合や種目別でも上位入賞、さらにダンス部は全国大会で優勝11回、陸上競技部はジュニアオリンピック(女子100m)で全国6位入賞をはじめ、2名が全国大会に出場している。教育の成果は、自閉症児・健常児を問わず社会からも認められるところとなっている。

 世界に広がる生活療法

 本学園の自閉症教育は世界的な注目を浴び、アメリカなどからも入学を希望する児童が後を断たず、1984(昭和59)にはその数40名に達した。アメリカの親たちの強い要望を受け、1987(昭和62)に州の認可を受けて、ボストン東スクール(アメリカ・マサチューセッツ州)を開校した。同スクールは州や市からの公的補助を受けて3歳〜21歳の自閉症児に対し『生活療法』による教育を行っている(在籍者の国籍は約80%がアメリカ、約10%がイギリス、残りの約10%が諸外国)。1997年にはNCASES(全米特殊教育認定委員会)から、全米で7校目の優良校の認定を受けた。同スクールのこの教育は、世界各国の専門家からの評価も高い。

 武蔵野東学園には、アメリカ・イギリス・スウェーデン・アイスランド・韓国・台湾などから、例年多数の専門家が訪れる。1994年、南米ウルグアイのモンテビデオでは、当学園出身の職員が中核となってウルグアイ希望自閉症児教育財団が設立された。  

 自閉症児教育機能の拡大

 例年数多くの入園入学希望者が学園を訪ねてくるが、学校法上の規制のため、入園入学できるのはその一部でしかない。学園外の園児・児童・生徒も『生活療法』を受けられるシステムを構築し、より多くの自閉症児と保護者の力となることができないだろうか。このような目的から学園は平成18年の北原記念館完成に伴い「武蔵野東教育センター」の本格運営を開始。様々な療育プログラム(ラーニングプログラム、スクールプログラム、サマー・スプリングプログラムなど)を実施し、現在200名を超えるこどもたちが参加している(長期休暇中のプログラムには、北は北海道、南は沖縄から参加する児童もいる)。今年度は生活体験講座・音楽教室を新設。順次成人年齢に達するまでのプログラムを開発することとしている。さらにセンターは、保護者向けの教育相談、講習会、セミナーなども開催、国内外を問わず広く自閉症教育の普及に努めている。

 生徒数             (( (平成20年5月1日現在)
武蔵野東第一幼稚園237名うち、
自閉児
52名
武蔵野東第二幼稚園372名
武蔵野東小学校576名174名
武蔵野東中学校290名108名
武蔵野東技能高等専修学校225名135名
合 計1,700名469名
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