子どもたちとその保護者の幸せを願って

 

 

 

 

所長 計野浩一郎

武蔵野東教育センターは、多くの子どもたちとその保護者の方々に、武蔵野東学園の教育をという視点から、「療育活動」「保護者支援活動」「支援者養成」「研究活動」「広報活動」という5つの活動を行っています。これらの活動の中で、特に療育活動の充実に力点をおいています。

  療育の目的は、子ども一人ひとりの個性を深く理解し、子どもたちの内在する力を引き出して、能力の向上を図り、それぞれが社会の一員として豊かな生活が送れるようになることです。そのために療育では、「生きる力」の獲得を目指し、「個に応じた支援」と「保護者支援」に特に注力してきました。

  社会の中で生きやすくなるために、学園が50年にわたり蓄積した自閉症児教育のシステム(生活療法)における「体力づくり、心づくり、知的開発」の本の柱を支援の基本において、どのプログラムにおいても、基本的生活習慣、コミュニケーション、礼儀・マナーなどの要素を含め支援しています。また、提供される内容がどれほど優れていても、それを支える保護者の方々が明るく前向きになれなくては、子どもたちの成長は限定的なものになってしまいます。子どもたちのことをもっともよく知っている保護者の方々を療育の主体者として位置づけ、一緒に歩んでいく姿勢を貫きながら、一貫性を持ってご家族を支えていきます。

多様な個性を持った子どもがいるのは昔も今も変わりはありません。個性を大切にして育てることも普遍的なことですし、子どもたち一人ひとりを多面的にとらえるということも、教育者や専門職にとってあたりまえの姿勢だと思います。目の前の「気になる」「困っている」子どもに対して、子どもとそのご家族が前向きに充実した生活が送れるように、積極的に働きかけをしていきます。子どもたちの可能性を信じ、一人ひとりに合った学び方を工夫し、学んだ知識やスキルを社会の中でも発揮できるようになるまで指導を繰り返す姿勢を持ち続けることが、教育者や専門職の責務であると考えます。

本教育センターの所員は、教育者としての専門性に加え、心理・福祉・言語などの専門性を生かして、乳幼児から高校生まで、長期的な視点に立ってサポートしています。また、各時期の子どもたちや保護者の方が、必要な時に、適切な支援を受けることができるような体制を整えるとともに、一人の子どもとそのご家族を全員の所員で支えていきます。

 お子さんの発達に関して、何か保護者の皆さんの心に引っかかるものを感じたときには、どうぞ本教育センターにお気軽にご相談いただきたいと思います。