感性を磨き、自己表現力を高める国語学習
国語学習の一番の目標とは、正確に「読む・聞く・書く・話す」という基本的な理解力、表現力を年齢相応に高めていくことです。本校では、そのなかでもとくに自己表現力の向上に力を入れて指導しています。
これまでの国語教育は、読み取り中心の学習に偏り、自分の考えや意見、即ち“心”を人に伝える学習をおろそかにしてきました。文章の内容を正確に読み取る力の育成はもちろん大切なことです。しかしこれからは、より自分を表現していく力を伸ばしていく必要があります。人に伝えることの大切さ、すばらしさを実感させていきたいと考えています。
そして、ここで忘れてはならないのは、上記のような力には必ず思考力が伴わなければならないということです。国語に限らずどの教科でも、「考える」という過程なしには真の力は身につきません。常に「なぜ?」と疑問を持ち、「わたしならば……」と自分の考えを持つ、そういう学習習慣を定着させたいと思います。また、それと同じくらい大切なこととして、本校の国語教育で心がけているのが、感受性を磨いていくということです。なにごとにも興味・関心を持ち、敏感に「感じ取る」能力は、すべての学習の基本と言えるでしょう。
本校では、私立ならではの一貫性と自由さを生かし、柔軟なカリキュラム編成と教材を工夫しています。そして、「正しい日本語」の定着、向上を常にこころがけて、日々指導を行っています。
T 教科書にとらわれない多彩な教材工夫
@最近の教科書には、夏目漱石、森鷗外、芥川龍之介といった名だたる文豪の作品が載らなくなりました。残っているのは、宮澤賢治と太宰治くらいなものです。時代の流れとして、読みやすく生徒にとっても親しみやすい、最近の作品が数多く載るようになっています。しかし、名作と言われ続けた作品には、深い奥行きがあります。本校では発展学習として、そういう作品に触れたり、文学者についての資料やビデオを通して作者の人となり、生き方を知る学習を行っています。

(右は芥川龍之介の学習プリントです)
A映像作品があふれる現在、「見る」という力も大切な一つの能力と言えます。映像を読み取り、考え、そして表現するということも、これからの時代に要求されるでしょう。映像化された文学作品や、優れた映画やテレビドラマ等の映像作品を考えながら鑑賞することで、感受性を磨き、素直に感想や意見を表現できる力を養っています。

B創作活動も大切な学習です。読書感想文や
作文コンクールへの全員参加は勿論のこと、詩、短歌、俳句を創作してコンクールに出品したり、好きな作品の紹介文や鑑賞文を学年文集として冊子にしたりしています。また毎年卒業時に編纂する「卒業文集」に関しても、国語科で手を加えて、その表現にも学年に応じた工夫をこらしています。
(右は文集『武蔵野一短い“愛する人”への手紙』の一節です)
U 人前で抵抗なく話す力の育成
カリキュラムの中にスピーチの時間を多く取り入れ、人前で抵抗なく、自分の考えていることを素直に表現できる力の育成を目指しています。テーマは「夏休みの思い出」といった簡単なものから、「環境」「福祉」「家族」「生命」といった難しいものまで、学年に応じて臨機応変に取り扱っています。また国語の時間だけでなく、HRや生命科の時間でもスピーチをする機会が多くあり、その成果が毎年12月に全校一斉で行われるスピーチ大会に結実しています。
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V 論理的な思考力・記述力の育成
現在、高校入試に限らず、いろいろな場面で課題作文や小論文での自己表現力が問われています。これからの時代は、論理的な思考の伴った自己アピールがより重要性を増してくると思われます。そういったなか、本校では、1・2年次は国語の授業内で、原稿用紙の正しい使い方と、自分の思ったことを素直に表現できる力、優れた文章表現を模倣することを目標に指導を行っています。そして3年次には「論文」の授業を設置することで、より高度な文章表現力と、論理的な文章の書き方の育成を目標に指導しています。この授業は、高校入試における小論文・課題作文・自己PRカードにも対応しており、生徒が自信を持って入試に臨めるよう、万全の対策を講じています。
W 漢字検定への積極的な取り組み
理解力・表現力の向上を目指すには、その根本に基本的な言語事項の確実な定着が伴わなければなりません。そのために本校では、漢字検定への取り組みを強化しています。1〜3年まで共通の漢字検定対応のテキストを使用し、1年で4級、2年で3級、3年で準2級習得を目標に指導にあたっています。授業内でも漢字小テストを数多く行い、日々の学習の習慣化を徹底するとともに、確実な定着を図っています。また、全校をあげての漢字コンテストを学期に1回実施していますが、学年を越えて良い刺激になっています。
*昨年度の合格実績(数字は合格者数)