多くの眼で子どもの支援を

Heart to Heart(第3号)平成19129日発行

 2007年が明けました。日本は欧米に比べ新年に意義を重くおいていて正月という行事があるわけですが、私たちにおいてはやはり新しい年の訪れは前年のもろもろのことを洗い流し、清々しい出発の気持ちにさせてくれます。

 昨年は、武蔵野東教育センターとしての新たな立ち上げの年でした。2月の北原記念館への引越しを皮切りに、4月からは本格的に始動しましたが、会員に登録してくださった方、そしてさまざまな形で当教育センターを利用していただいた方々には、この場を借りて厚く感謝申し上げます。療育プログラムを受講している方の場合はまだ3月まで今年度のプログラムが続きますが、お子様にはそれぞれ成長が見られ、保護者の皆様もお子様が成長していく姿から家庭教育に対する張り合いを感じ、ご家庭でも努力されている方が多くいらっしゃるようです。

また同時に保護者の方からは、地域の幼稚園や学校における教育の様子が、断片的にではありますがリアルな姿をもって伝わってきます。発達障害の子どもたちは環境の違いによって示す行動や状態が一様ではありません。武蔵野東教育センターが週に一度あるいは月に一度という不規則な療育環境にありながら、子どもの発達を促すことの十分に可能な環境であり療育の場であることを確認できたことは、私どもにとって大きな収穫でありました。

 今年の4月からは北原記念館での二年目に入りますが、今年は、とくに子どもたちの教育的母体であるそれぞれの地域の幼稚園や学校と情報交換をするなど、連携を広げていきたいと思います。現在でも、当教育センターでの療育プログラムの受講を出席扱いに認めたり、担任の先生が教育センターでの子どもの療育の様子を見学しに来たりする学校が増えてきています。このような連携交流がさらに広がっていくことは、環境によって違う姿を見せる子どもの側面を互いにより深く理解し、一人のお子さんの成長を多くの眼で支援していくことにつながるものと思います。

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