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武蔵野東学園の創立者は?
武蔵野東学園の創立者は、北原勝平・北原キヨです。
学園の教育すべてを創出した北原キヨは、教育に身をささげ尽くして、平成元年1月に急逝(63歳)。そして、平成7年4月には、北原キヨの夫でありよき理解者であった北原勝平が逝去しました。創立者の遺志を受け継いだ教職員は、この教育をさらに発展させるべく日々実践、研究に取り組んでいます。
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自閉児の教育をはじめたのはいつから?
武蔵野東学園は、幼稚園開園(1964年)から小学校(1977年)・中学校(1983年)・高等専修学校(1986年)・ボストン東スクール(1987年、別法人アメリカ合衆国マサチューセッツ)と順番に設立されました。当初は、ごく普通の幼稚園としてスタートしましたが、志願者の中にたまたま自閉症の子がおり、その子どもを受け入れたことがきっかけで自閉児教育がスタートしました。そして、自閉症の子どもを受け入れ、しかも教育効果も上がっているということから全国から志願者が集まるようになり、現在にいたっています。
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現在の園児・児童・生徒数は?
全体で、1710名、内自閉児は439名で全体の26%(2005年5月現在)を占めます。
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教育の特色は?
武蔵野東学園の最大の特色は、健常児と数多くの自閉児がともに学ぶ『混合教育』と、自閉児の自立を促進する『生活療法』です。
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☆「混合教育」とは?
自閉児と健常児が同じ環境の中で学び、相互に影響し合い、ともに成長していくシステムを武蔵野東学園では『混合教育』と呼びます。
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混合教育の効果は?
自閉児は健常児による活気に満ちた刺激をうけ成長していきます。健常児は、なかまとしてともに学ぶ生活の中から、多様性を受け入れる心、友愛の心、生きた福祉の心を自然に学ぶとともに、自閉児のひたむきに努力する姿を見て、努力の大切さも学んでいます。教師も、同年齢の健常児の発達を視野に入れ、自閉児の指導目標を見つめることができます。
今日最も注目されているインクルージョンの先駆的試みが創立当初から始まり、現在も発展し続けています。
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インテグレーションをはじめる時期は?
いきなり自閉児を通常の学級の中に入れても教育効果は上がりません。ですから、まず自閉児は小集団の中で生活の基本を身につけ、集団適応力が育つように支援します。また同時に、混合の母体である通常の学級集団の育成が充分になされることが必要です。健常児の集団が教育的に健全で、心豊かな強い集団の活気の余波が自閉児に好ましい刺激を与えます。
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「生活療法」とは?
「子どもの日々の様子や活動を通して、個々の子どもの個性を深く理解し、その成長の落ち込み部分を毎日の生活の中で綿密な計画のもとトレーニングし、子ども自身の力で障害を乗り越えさせ、社会に自立させようとする方法」です。健常児の発達を視野に入れ、集団での刺激を活用した教育を通して、「体力づくり」「心づくり」「知的開発」の3つを重要な柱として包括的なアプローチを行っていきます。生活療法は、子どもの障害にのみに着目するのではなく、人としての全体像をとらえた上で、子どもと親と教師との強い信頼関係のもとで積極的に働きかけを行う包括的な教育法です。
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生活療法の3つの重要な柱(3本柱)とは?
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体力づくり
遊びや体育によって強く健康な体をつくり、年齢相応の体力をつけることをねらいとしています。同時に、体を使い気を働かせることによってエネルギーを発散し、情緒的な安定をはかり耐える力を養うとともに、生活リズムを調整していくのもねらいの一つです。適度に運動し、たくさん活動して疲れれば、子どもはぐっすり眠ることができます。ぐっすり眠ればはっきり目覚め、周りの刺激を吸収しやすくなります。これは、学習を受け入れる基盤にもつながります。また、体育指導などによって集団への適応力、ひいては社会性も身についていきます。
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心づくり
ききわけを育て自発性を培うことがねらいです。自閉児は、しばしば興味関心が狭く一つのパターンに固執する傾向があるため、生活体験も限られてしまいます。集団の中で刺激をうけ様々な体験を積み重ねていけば、徐々に周囲に心が動くようになります。まわりを意識するようになると、何が期待されているのか理解できるようになり、生活習慣も身についてきます。自分でできることが増えてくれば自信や意欲が生まれ、自発性が育ち、コミュニケーションや言語の成長にもつながっていきます。
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知的開発
体力がつき、情緒的にも安定し、生活習慣も身についてきたら、さらに全体的な成長を促すために知的開発の指導を行います。知的開発においては、子どもの興味や関心の偏りをただし、知的能力を引き出し、健常児により近い感覚や能力を身につけさせることをねらいとします。この指導の前段階として、まず視線集中トレーニングによって集中力をつけ、保護者や先生の指示が理解できるようにしていきます。体育や音楽を通して模倣力を養い、知的開発トレーニングを進めることによって、知的な能力を引き出し、教科学習へつなげていきます。
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包括的なアプローチとは?
子どもの成長の落ち込み部分だけに着目せず、相関するあらゆる面を考慮して子どもの全体像をとらえ、できるだけバランスの取れた全体的な発達に導いていきます。
「生活療法」では、「生活の幅」を広げることを重視し、偏狭でパターン化しがちな生活からの脱却を支援し、上記の3本柱にポイントを置いて多くの体験や刺激を与えていきます。このことが子どもの成長を促します。
また、落ち込み部分に日々積極的に働きかけて、成長を支援していくと同時に、得意な部分や興味のある事柄を利用して、落ち込み部分以外の面での成長を導いていくということも行います。
言語の指導だからといって言葉のトレーニングに終始せず、例えばジョギングなどの体育活動や生活技術のトレーニングなどを行い、「生活の幅」を広げていきます。一見、関係のないことのように思えるかもしれませんが、結果的に言語の発達に結びついてくるのです。
例えていうならば「木を見て森を見ない」のではなく、「1本1本の木を見た上で、森も見る」そしてそれぞれの木の生長を促しながら、森全体の生長を支援していくということです。
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子どもの成長の評価はどのようにしていきますか?
保護者や教師が子どもの能力や特性をしっかりと把握した上で、目標設定をし、その目標に即した指導を行って、到達度を評価していきます。このシステムを『AGEシステム』といい、このシステムをサポートするために『AGEシステム段階目標』があります。
この『AGEシステム段階目標』を使用し、目標設定を行い、協力して目標到達を支援していきます。その到達度の評価を学期ごとに保護者と話し合いながら行っています。
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「生活療法」による一貫教育の成果は?
平成11年度(2000年3月卒業)までに高等専修学校を卒業した331名、そのうち企業就労は177名(53%)、作業所当の福祉就労は108名(33%)、専門学校等の上級校への進学者36名(11%)。教育が困難であるといわれている自閉児ですが、幼児期の身辺自立から始まりそして生活自立へ、さらに社会自立へと至る「生活療法」による一貫教育の成果は、この数値からもわかると思います。
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何歳から受け入れているのですか。
創立当初より、早期教育が重要であると考えていますので、年少(3歳)年齢から受け入れています。
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卒業後の関係はどのようになっていますか。
本学園では、「就労後にこそ気を配らなければならない」という信念を貫いてきました。そのために、高等専修学校には、進路指導部(ジョブコーチ)が3名おります。
その業務は、
「高等専修学校の2、3年次の現場実習先の開拓」
「現場実習時の現場と家庭のパイプ役」
「実習生へのマンツーマンによる現場での援助」
「就労後の卒業生の定着援助」他、
学園内の自閉児の保護者に対する情報提供等も行っています。
本学園では「卒業しても一生の付き合いである」と考えています。その主たる要因は、本学園は私立学校ですので、職員の異動が少なく、継続的に職場とのやり取りができるということです。何年月日が流れようとも職場、家庭、ジョブコーチの関係は、学園が存続する限り変わりません。