武蔵野東学園広報 第43号
平成26年(2014年)3月7日発行

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  学園半世紀の歩みに寄せて

武蔵野東教育センター 所長 長内 博雄

目  次

 P.2 幼稚園
 P.3 小学校
 P.4  中学校
 P.5  高等専修学校
 P.6  教育センター
 P.7 学園総合
 P.8 お知らせ

    『東だより』 バックナンバー

 いよいよこの4月から、学園創立50周年の年度を迎えます。私の就職年度がちょうど創立10周年でしたので、少し回想してみます。まだ小学校が建つ前の昭和49年のことですから、北原キヨ先生が元気なお体で園舎を回って子どもたちと触れ合い、先生方を指導してバリバリと指揮をとられていた時代です。当時はまだ幼稚園のみで、現高等専修学校敷地にあった武蔵野東幼稚園を西久保園舎、現第二幼稚園敷地の園舎を関前園舎と呼んでいました。教職員は女性の先生方のみで、この年度に就職をした私を含めた3人が初めての男子教職員でした。また、前年に武蔵野東幼稚園の自閉症教育が新聞やテレビに大きく取り上げられたことの結果として、その4月には全国からたくさんの幼児の自閉症の子どもたちが入園してきました。これらの子どもたちのために、キヨ先生は急遽春休み中に幼稚園近くの借地に関前仮園舎を仮設しました。建物はバラック建てで、園庭は土。雨の日やその翌日には、担任の目をかすめてぬかるんだ園庭をはだしで走りまわる泥んこの幼児たちをよく目にしたものです。これら多くの新入の幼児と、就学が猶予になっている学齢期の自閉症の子どもたちの学び舎となったこの仮園舎は、結局小学校開校までの3年間で取り壊されることになります。またこの年の11月には、創立10周年記念の「造形を主とした公開保育」が行われました。40年も前のことですが、参観後に行われた保育の説明会会場の体育ホールが、いっぱいの参加者で埋め尽くされた光景に圧倒されたことを覚えています。
 当時キヨ先生から小学校設立運動をしているという話を聞いており、実際3年後には小学校が開校されます。しかし当時の思いからすれば、その後の中学校、高等専修学校、姉妹校のボストン東スクールの開校、そしてまた北原記念館の建設や友愛寮の開設、私の現在の担当部門である教育センターの活況ぶりなども含めて、現在の発展した学園の姿は全く想像もできないことでした。あれから40年を経た学園の記念すべき創立50周年。その内北原キヨ先生のご存命中がほぼ半分で、キヨ先生がおられなくなってから早や四半世紀にもなったのかと、時の過ぎゆく不思議さを思ってしまいます。先生が一番懸念されていた小学校の敷地が学園の所有になったことには、大きな運命も感じます。学園の将来の繁栄や使命の大きさを常に語っておられたキヨ先生の遺言のようなお話を思い起こしてみたときに、先生の期待にたがうことなく、今、子どもたちの頑張りをはじめ多くの方々の力によって学園の使命が着実に実を結びつつあることに、安堵の思いと喜びを感じています。
 さて、創立50周年における記念事業のいくつかがこの紙面で紹介されています。ここでは、この4月に発足する「奨学金制度の創設」についてご説明します。この奨学金制度は、学資の支弁が困難な園児・児童・生徒を対象に学資金を給付して就学を援助し、将来において社会に有為なる人材を育成することを目的としています。奨学金の種別は返済不要な給付型で、奨学生の認定は原則的には毎年度3名を限度としています。その手順として各園校の先生方が検討をして候補者を学園に推薦し、毎年度1月に学園の奨学生選考委員会を開いて翌年度の奨学生を認定します。奨学金の額は、月額2万円分の年額24万円で、前期・後期の授業料納入時にそれぞれ6か月分の奨学金を授業料から減額する形で交付されます。またこれらの資金としては、今回も皆様方に基金のお願いを呼びかけました周年記念募金、同窓会・後援会OB会・連合後援会賛助会員の協力金、その他一般寄付金をその原資としています。
この4月からの記念すべき年度におきましては、各記念行事を盛大にお祝いするとともに、さまざまな形でのご支援ご協力をよろしくお願いいたします。この50周年を大きなばねにして、子どもたちが将来にたくましく生きる力を育んでいくことができるよう、磨き合いの場としての学園をさらに高め上げていきたいと思います。

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