武蔵野東学園広報 第20号 【オンライン版
平成18年(2006年)1月7日発行

180-0013 東京都武蔵野市西久保 3-25-3
Tel. 0422-54-8611㈹ Fax. 0422-51-0267
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 新校舎・新体育館竣工の前に

小学校・中学校校長 石橋 恵二

目  次

 P.2 幼稚園
 P.3 小学校
 P.4  中学校
 P.5  高等専修学校
 P.6 教育センター
 P.7  学園総合
 P.8 お知らせ

    『東だより』 バックナンバー

  「21世紀に輝く、武蔵野東学園であるために」というキャッチフレーズを掲げ、学園創立40周年記念事業として、校舎の再生拡充事業とコンピュータ環境の整備事業に取り組み始めたのは平成13年のことでした。おかげをもちまして40周年記念事業は順調に事が進み、昨年度の記念式典祝賀会や学園祭も盛大にとり行われました。後援会では40周年記念Tシャツを作製・販売してくださり、在園在校の保護者、OB、そして企業や個人の皆様には多くのご寄付を頂戴しました。あらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。
 思えば、創立30周年の学園祭で当時の学園長であった野田彰先生が「その先の東へ」ということばを使って、これからも前進していく決意を述べられてから10年。教職員はその後ずっと「その先の東」を考え、求めてきたように思います。合議による運営、各園校の自立と連携、時代を見据えた教育、授業改善とシステムの変更等、社会が混迷と氾濫の中にあっても、武蔵野東の変化前進は揺るぎなく続きました。なにかを切り拓いていくときには「こころ」を置き忘れてしまいがちですが、教職員だけでなく子どもたちや保護者みんなが互いに「いつも笑顔で、いつも笑い声を」ということを繰り返し言い続けて、幼稚園・学校と家庭との温かい関係を保ち、より強固なものにしていきました。
 40周年事業の始まりは21世紀の幕開けでもありました。学園にとっては第2ステージの開幕という位置づけとし、充実発展の時と考えました。「これからどうしよう?」ではなく、「これからこのようにする!」という強い意志と明確なビジョンをもつことが学園の今後の歩みに大切なこととなったわけです。そして記念事業を推し進めていく中で、私たちは小学校の隣接地である国有地の払い下げという幸運に恵まれました。このことを契機に新校舎建設計画が打ち出され、あわせて中学校の新体育館の建設が考えられました。「あったらいいな」という希望が、今まさに現実のものとなることに心の高揚は抑えきれません。新しい校舎は小学校にとってA組からE組までが隣同士の教室配置を可能にし、混合教育をさらに深化させていくものとなります。また3階の教育センターは療育部門に力点を置き、幼稚園開園当初にたまたま出会った自閉児を「どの子も教育を受ける権利がある」という創立者の考えのもと始まった自閉症児教育に、武蔵野東に入園入学ができない子どもに対して「どの子にも東の教育を受けられる機会」を大幅に広げます。あわせて支援者養成や研究・広報を通じて自閉症児教育のメッカとなる大きな構想をもっています。友愛寮や工房、チャレンジショップも備えたところは彼らの自立に向けた教育を推し進め、さらに学園本部(事務機能)の移転により高等専修学校の教育スペースは拡張されることになります。中学校の体育館については、今まで校庭と体育室の授業や部活動の同居状態が解消され、飛躍的な成果をもたらすものと思っています。なによりも生徒たちが心待ちにしていた夢の実現であり、その喜びは計り知れません。
 40周年記念式典祝賀会で寺田理事長先生が、「学園は、『天の時、地の利、人の和』すべてに恵まれた」とスピーチされました。私も、本当に多くの幸運と支援があったと実感しています。創立者北原勝平、キヨ先生の遺志がすべて具現化され、今に生きる私たちの確かな意志が反映された建物となります。まさに「遺志と意志の融合」であり、新校舎は「北原記念館」、新体育館は「北原記念体育館」と名づけた所以でもあります。まもなく竣工。記念館も体育館も2月13日が子どもたちの使い初め。子どもたちの満面の笑みを今から想像しています。

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