論理的な思考を 



「勉強」とは「勉(つと)めを強(し)いる」とは書きますが、決して他者から強制されるものではありません。また、自らに知識を詰め込むという「つとめ」を強いるものでもなく、物事を論理的に考える力を自ら養っていくのが勉強です。

さて、物事を論理的に考えるには、「整理する」「伝える」という二つの重要な要素があります。
「整理する」ことから考えてみましょう。机の上に乱雑に積み上げられた膨大な書類の中から必要な書類だけを取り出すのは容易ではありません。しかし、机の上には必要な書類だけがあり、なおかつそれが分類もされていれば、必要な書類を難なく取り出すことができます。

頭の中も同様で、片っ端から知識を詰め込むのではなく、必要なことだけを整理して頭の中に入れておいたほう良いのは自明のことです。それがなかなかできないから人は苦労するのですが、「一を聞いて十を知る」と言うように、1の情報で10の内容を処理できるように訓練し、残り9は次の情報のために空けておいて、頭の中を情報が論理的に整理できるような余裕がある状態に保っておくことが大切なのではないでしょうか。頭の中が情報で一杯になりそうになったら、その時点で不要な情報は消去させていけばいいのです。

もう一つの「伝える」ことですが、自分の頭の中が論理的に整理されていれば、なにごとも自ずと人に分かりやすく伝えられるものです。「頭脳明晰」という言葉がありますが、単に知識が豊富ということではなく、「明晰」という頭の中が常に論理的に整理された状態であれば、論理的に話せたり論理的な文章を書いたりすることができるのです。

知識がなければ考えることはできませんが、知識を詰め込むことを重視するのではなく、情報を整理しながら論理的な思考力を高めていくことが、これからの社会を生き抜いていくための能力となっていくのです。ちょっと覚えていっぱい考えてみましょう。

木村 修二  情報ID 78246 番  掲載日時 05/28/2019 Tue, 18:21