校長の独り言【574】 



 第10回公開授業全体会挨拶

 本日は、本校の第10回公開授業にお越し頂き誠にありがとうございます。
はじめに、この場をお借りしまして、今回の公開授業の開催につきまして、ご後援頂いただきました、全国高等専修学校協会をはじめ6つの協会の皆さんに、衷心より御礼申し上げます。

 平成28年度、本校は創立30周年を迎えることができました。これも多くの皆様のご理解とご協力があってのことと深く感謝申し上げます。また、私にとっては、この上ない喜びでいっぱいであります。

 本校設立の使命は、発達障害のある子どもたちが、社会に出るための、学園最後の教育の場として、更には、健常児の優しい友愛の心を最大限に育む、混合教育の実践の場として、正に学園内外の願いと期待で設立されました。

 この30年で、本校は、1,946人の卒業生を上級学校、実社会に送り出しました。
 生徒と我々教員とで歩んできた30年を振り返ると、生徒の成長、そして、卒業後の生徒の幸せを願い、無我夢中の30年であったように思えてなりません。
 しかし、この30年、社会、教育は大きく様変わりし、子どもたちの多様化も大きな課題となってきました。本校の教育も、その時代のニーズに合わせ、時代に合った変化をしてきました。

 このような状況下で、今年の5月20日に、私が参加させていただいた教育再生実行会議の第九次提言が発表されました。
 二か所に、高等専修学校の学種名が初めて記載されました。今までは、後期中等教育機関を表す時には、「高等学校等」という表記がほとんどでしたが、今回は、「高等学校、高等専修学校」と、省略されずに並列表記となっています。

 更に、5月25日に発達障害者支援法が改正されましたが、その条項の中においても次のように表記されました。
(教育) 第8条
高等学校、中等教育学校及び特別支援学校並びに専修学校の高等課程に在学する者も含む。

 一般的に、後期中等教育機関では、どうしても、高等学校との格差等でなかなか社会的認知を得られなかった高等専修学校が、このように評価されるようになったのは、全国の高等専修学校の先生方と共に、本校の先生方が、日々の教育に全身全霊をかけてきた証であると思っています。

 今後、本校は30年の歴史の上に、最終的な本学園の夢である、ユートピアの実現を目指してまいります。
 ユートピアとは、障害のある人とその家族が生涯を共に暮らし、働く場も確保され、更には、一般の方も自由に出入りでき、障害のある人もない人も、絶えず共存することの出来るコミュニティーであると考えております。

 そして、『私の一番の願い』である 心のバリアフリーの社会、混合社会が誕生することを願っています。

 本日、先生方とのこの出会いにより、この公開授業を通して、高等専修学校の存在感を世に示す気運が高まることを願って止みません。

 最後に、本日の公開授業を迎えるに当たり、私共精一杯準備したつもりではありますが、何かと失礼、不備がございましたら、どうぞ何なりとご指摘頂きたいと思います。

 以上で、挨拶を終わらせていただきます。
 それでは、本日一日、どうぞ、よろしくお願い致します。 

校長  情報ID 72054 番  掲載日時 09/26/2016 Mon, 15:20