校長の独り言【541】 



 先日、本校2年生の朝比奈さんが東京都知事賞の栄誉に輝きました、「職業教育の日」制定記念/第11回全国高校生・高等専修学校生「私のしごと」作文コンクールの表彰式の時に、私も全国高等専修学校協会の会長という立場で、次の様な祝辞を述べさせていただきました。

「障害者と健常者が手を携えて、ともに生きる社会に」
 この作文コンクールの11回目の開催、並びに本日受賞された生徒の皆さん、本当におめでとうございます。表彰式にあたり全国高等専修学校協会を代表して一言ごあいさつ申し上げます。
 
今回も最終審査に残った作文を全部読ませていただきました。そして先ほど、全国高等専修学校協会会長賞を安城生活福祉高等専修学校2年の小嶋さんに授与いたしました。小嶋さんは障がいのある弟との関わりを通して「心の花」を育て、「ともに生きる」という決意を作文に綴られました。そこには「将来は障がいのある方と一緒に仕事をして、自分の心の中にある花を育てたい。そして全てを受け入れ認めることのできる人間が増えることを心から願っている」と作文に書いています。
 
 高校生、高等専修学校生の諸君、折角の機会ですから覚えておいてください。障がいのある方は日本全国にたくさんいます。私が関係する高等専修学校の在校生にも多くいます。身近なところでは君達のご両親がお勤めの会社にも実際にいらっしゃいます。会社には全従業員の2%に障がいのある方を雇用する義務があるからです。
 
 君達が将来社会人になった時には「私には関係のない話」では済まされません。「ともに生きる」、その視点が必要ということをこの機会に意識して下さい。
 
 小嶋さんの作文には私も深く共感し、ぜひ夢を叶えてほしいと願うとともに、私も東京から今まで以上に情報発信をしていこうと改めて思いました。障がいのある方への理解が深まれば、インクルーシブ教育、つまり障がいのある子どもを含む全ての子どもに対し、個々の教育的ニーズにあった適切な教育的支援を通常の学級において行われると思います。
 
 この教育が広がっていくことによって、いじめも減少するものと考えています。そして“心のバリアフリー”が地域社会の中で根づくことにより、やがては日本全国の街が、様ざまな個性の人が安心して暮らせる街になるのではないでしょうか。
 また今も、全国の高校や高等専修学校で障がいのある生徒が懸命に頑張っていることを、会場の皆さんも改めて認識していただければ幸いです。
 
 最後に私たち高等専修学校の教育を広く知って貰えるこのような機会をいただき、会長として何より嬉しく思っております。主催者の皆さんに感謝を申し上げて、簡単ですが祝辞とさせていただきます。本日は誠におめでとうございました。(文責・編集部)

校長  情報ID 68097 番  掲載日時 12/15/2015 Tue, 08:09