校長の独り言【511】 



 こんな新聞記事がありました。
 『慢性化している長時間労働を抑制するため、政府は今年7、8月に出先機関を含めた国家公務員の始業時間を通常より1~2時間早める方針を決めた。期間中、夕方以降に会議を設定しないなどの取り組みを徹底し、退庁時間を早める。国は朝型勤務の導入を地方自治体や民間企業にも要請た。』

 私の拙著「ダメ人間はいない 学校で生徒はかわる」(2002年9月発行)の中にこのような文章が残っています。

『もっと知ってほしい先生方の日々
《本校の先生方の1日は、》

8時30分 
教員朝礼からスタートする。しかし、朝礼前にすでに出勤し補習や部活の朝練の指導をしている先生もいる。朝礼では、伝達事項と生徒の情報交換を行い、朝礼が終わったら、それぞれの分担で朝の教員のみの清掃を行う。

8時50分 
担任と副担任は教室に行き朝のホームルームからいよいよ生徒との一日がスタートする。

9時00分 
毎日20分間曜日によって異なるが、ジョギングが週3回と全校音楽が週2回あるので指導補助に入っている。指導補助とは共に走り、歌うことである。ジョギング時クラスを持たない先生は交差点等で交通整理を行っている。ジョギングは1km程であるが忍耐力の強化と秋の校内マラソン大会の準備のために、全校音楽は正規の教科に音楽の授業がないので、ジョギングと同じようにやはり秋の合唱コンクールの準備と情操教育の一環で行っている。

9時25分 
授業がスタートする。授業の無いときで、クラスを持つ先生は、プランノートを読みコメントを一人ひとり記入していく、このプランノートは本校独自のノートで、生徒自身が日々の生活と学習立案をするものである。いくら本校が小さな学校であっても、必ず毎日一人ひとりの生徒と十分な接点を持つことは残念ながらできない。このプランノートでクラス全員の生徒と接点が持てている。また、生徒の文章の中で生徒の心の動きを察知できるので、生活指導上でも大変有効なものとなっている。プランノートが終わると、今度は教材研究、授業の準備、個々の生徒の個別指導、それに各自の校務分掌の分担作業等に時間を当てている。

12時30分 
昼食となる。本校は幼稚園から設立された経緯から完全給食となっているので、担任と副担任の先生は教室で生徒と会話を楽しみながら昼食をとる。昼食後は昼休みとなり、昼休みは生徒と球技等で遊んでいる先生、教室で生徒と話をしている先生、職員室で生徒と話をしている先生、保護者と電話で話をしている先生と様々である。

1時15分 
昼休みの終了と同時に、先生と全校生徒が学年を変えた縦割り清掃が始まる。この縦割り清掃は校内31箇所を先生と生徒といっしょに清掃するものであるが、労作をともにすることで先生と生徒の新たな交流の場になっている。

1時30分 
午後の授業が始まる。進路指導部の先生は、上級学校、企業、福祉作業所との連絡等に忙しくしている。
   

3時45分 
授業が終わると帰りのホームルームとなり、一日の反省と明日の予定確認、さらに行事の準備を行う。

4時30分 
授業がすべて終わると、クラブ活動や補習が始まる。
   
7時00分 
補習の終わりは7時以降となることもままある。

 このように学校にいる間すべてが生徒とのかかわりであり、このように惜しまず時間を費やしている。
 
 以上が、本校の先生方の一日を簡単にまとめたものであるが、学習指導、学級経営(生活指導・進路指導・教科補習)、教材研究、研究活動、校務分掌、そして私学の教員として学校経営と多岐に渡る仕事内容がある。


校長  情報ID 64587 番  掲載日時 05/07/2015 Thu, 13:31