校長の独り言【489】 



 最近、「学習指導要領」改訂のニュースが多く報道されています。
 今回の「学習指導要領」全面的な改訂の大きなポイントは、
「何を教えるか」(児童・生徒にとっては「何を知っているか」)から「何ができるようになるか」へと重点を移し、そのために「何を学ぶか」「どのように学ぶか」をも変えようという教育観・能力観の転換であり、そのための指導要領の「構造改革」であると報道されています。

 具体的には、「アクティブ・ラーニング」(課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習)の検討を求めているものであり、知識の一方的な教え込みから脱却し、学習者(児童・生徒)自身が課題に取り組むことを通して21世紀に必要な資質・能力を身に付けるよう転換することが狙いであるようです。

 この大改革に合わせて、私は、様々な個性の児童、生徒が学ぶ環境の格差是正をこの機に、まずは大改革してほしいと強く願っています。

 現状の学校制度では、義務教育以上の学種で、多くの国民の知らない大きな格差の中での教育が余議なくされています。

 具体的には、高等学校、高等専修学校等の後期中等教育機関では、生徒への財政支援においては、確かに就学支援金制度により格差はなくなりましたが、日本スポーツ振興センター災害共済への加入格差による保険の問題、公私連絡協議会参加格差による、中学校卒業後の高校と並ぶ進路先として、依然として高等専修学校は認識されていない格差が存在します。更に、学校経営の観点では、学校への経常費補助金の格差により、全国の一部の高等専修学校では存続の危機に見舞われている学校も存在しています。

 今回の改訂には直接関係はありませんが、大学、短大、専門学校等の高等教育機関においても、専門学校で学ぶ学生への財政支援については、大学、短大に比べ、依然として大きな格差が存在しています。

 指導要領の「構造改革」があるのであれば、様々な個性の児童、生徒が学ぶ環境の格差是正こそ、まずは大改革してほしいと強く願います。

 学ぶ環境の格差が是正されることにより、学び方の学校選択の幅が確実に広がり、今回の改定の目的以上の教育効果が上がると私は確信しています。

校長  情報ID 62492 番  掲載日時 12/03/2014 Wed, 09:27