校長の独り言【460】 



 武蔵野東学園むらさきOB会会報 第21号より

「親と子、共に学ぶ場―武蔵野東学園」
      武蔵野東技能高等専修学校 校長 清水 信一

 2002年に発刊した、『ダメ人間はいない 学校で生徒はかわる』の第三章 新米校長のとらえている日本の教育の現状 、教育再考として、このようなことを書いています。

 当然であるが、教育は学校のみで行うものではない。「学校」と「家庭」と「地域社会」の三者一体の関係の中で行われ、互いに教育力の増進に努め、分担し支援し合わなければならない。
 まず、「学校」であるが、本校は私立学校である。学校法人武蔵野東学園の建学の精神の上に、【教育理念】《子の幸せを願う親の心を教育の原点とし、常に子どもから学びつつ、一人ひとりの子どもの可能性の極限をめざす愛の教育をとおして、世のため人のために尽くす豊かでたくましい人間を育てたい。》に則り日々の教育に当たっている。その理念は当然不変であるが、しかし、時代の変化と共に、教育環境そのものにも変化が生じている。まさに、教育改革がそのものである。つまり、私立学校は教育理念を継承しつつ、いかに時代の変化を先取りし、敏感に対応し、教育現場に生かすかが最も重要である。 
 次に、「家庭教育」であるが、「家庭」を辞典で調べてみると、『夫婦、親子などの関係にある者が生活をともにする、小さな集団。』とある。つまり、家庭は、人間形成や精神的充足の上に持つ影響はとても大きく、家族相互の温かい心の触れ合いや、信頼と尊敬あるいは人格の陶冶などの教育機能の充実が必要であるということである。
 最後に、「地域社会教育」であるが、私立学校には学区がないので地域を限定するのが難しい。しかし、通学している生徒の自宅住所を1本の線で結んだ内側がある意味で私立学校の学区と考えられる。まず、私立学校がやらなければならないことは、地域の方々にいかに行っている教育を理解していただくかである。本校が開校以来できることからはじめて現在行っていることは、通学路の清掃、行事への招待、教員と地域の皆さんとの交流、生徒のボランティア、インターンシップの実施程度であり、この点についてはより多くの理解者を増やすために、更に努力しなければいけないと痛感している。

 ですから、「親と子、共に学ぶ場―武蔵野東学園」ではなく、「親と子と学園(教職員)が、共に学ぶ場―武蔵野東学園」なのです。

 だからこそ、学園は『自閉症児とは一生のつきあい・・・・・』の具現化を図っていかなければなりません。障害のある卒業生の保護者の老後の住み処を設け、本格的な「障害のある人とその家族のユートピア」の実現を目指します。

 空気が綺麗で、富士山、南アルプス等の山々が間近で、多くの温泉があり、果物が美味しい、南アルプスの地に、このユートピアの実現は、障害のある人とその家族の生涯にわたる幸せな暮らしを保証するものと確信しています。
 
 創立50周年に懸ける本学園の教職員のこの思いに、多くの皆様からご賛同をいただき、記念事業の資金募集にお力添えを賜りたく、切にお願い申し上げる次第です。

 ●目指しましょう!「親と子と学園で、共に創るユートピア」
 
 ●見せましょう! 「武蔵野東学園」の底力


校長  情報ID 58604 番  掲載日時 03/14/2014 Fri, 09:36