校長の独り言【444】 



 また、ひとつ東京から高等専修学校がなくなります。
 平成25年度入学生を最後に、生徒募集を停止するとホームページ上に発表がありました。
 また、1校仲間の学校が減ることは、この上ない悲しみであります。

 その発表の中に、次の様なコメントがありました。
『やはり、少子化の進展と高校教育に対しての就学支援金の支給をはじめとする、後期中等教育の準義務教育化のながれは、私学教育に大きな変革を迫る事態が生じています。』

 つまり、高等学校への進学希望者全入時代の中で、公立高校の無償化により、今や、後期中等教育機関の学校選択のポイントは、この経済状況下では、まずお金であり、教育そのもので学校を選ぶ時代ではなくなっていると私は痛感しています。無償化には、私立は勝てません。

 この状況下で、大阪府は独自の施策で、公立高校無償化に合わせ、私立の高等学校と高等専修学校も無償化になりました。この施策により、お金での学校選択から、教育で学校を選ぶようになり、大阪の高等専修学校では、生活保護家庭が25.3%、非課税の家庭を合わせると、生徒総数の42.9%が経済的困窮家庭との事例報告もあります。
 つまり、個性に合った教育そのもので学校選びができ、ある意味、中退者の減少にもつながるものであると思います。

 更に、高等専修学校は、学校教育法の1条校でないことから私立学校振興助成法対象外であり、各学校への財政支援は、私立の高等学校と比較すると僅かな支援で教育を行っているのが実態であります。

 私立の高等専修学校が、この状況下で、今実施している職業教育をこのままの状態で維持するためには、今や全国の多くの学校では、すでに財政的、設備的、マンパワー的に見ても限界がきていると言えます。

 この機に、若年層のニート、フリーター問題の解決のためにも、さまざまな個性の生徒を職業教育、キャリア教育により、実社会に送り出している高等専修学校への財政支援こそが、必要であると考えています。

 是非、多くの私学行政担当の方々に、ご一考頂ければ幸いです。


校長  情報ID 56530 番  掲載日時 11/02/2013 Sat, 09:21