校長の独り言【412】 



 武蔵野東学園むらさき会会報
「可能性をひろげて」 第55号 2013年3月発行

◇シリーズ◇ 園長・校長が語る
「すべての会員の子弟は我が子である」
  武蔵野東技能高等専修学校校長 清水 信一

 私がキヨ先生から、むらさき会の顧問を仰せつかって約30年が経過します。折しも、むらさきOB会が設立20周年と言うことで、OB会の顧問も務めている関係から、今では、お子さんが3才の保護者の方から48才の保護者の方まで、むらさき会とむらさきOB会を通して接点を持たせて頂いていることになります。
 ご承知のように、「すべての会員の子弟は我が子である」は、むらさき会の事業目標であります。実際には、その文言の後には、「・・・を合言葉に会運営の推進」と続いています。そして、事業推進を加速させる為に、「会員相互の理解と親睦を兼ねた行事の開催」とあり、恒例の親子運動会、更には他校には類ない500人規模の大新年会が存在していると私は認識しています。
 しかし、この目標は決して30年前からあったものではありません。その証拠に、むらさきOB会の事業目標にはこの文言は存在しません。なぜ事業目標にわざわざ入れたかというと、毎年4月の合同保護者研修会の時にもお話しさせて頂いていますが、時代が変わり、保護者の皆さんの考え方も多様になり、一般的なことかもしれませんが、我が子のことだけという風潮が強くなり、むらさき会の中でも様々な事象が現れるようになったからです。
 その風潮に危惧を感じた時、OB会設立当初の保護者の皆さんのことを思い出しました。一人通学の練習も保護者同士で助け合い、時には、我が子でなくても、その子の自立を願い叱り、緊急なことが生じれば、みんなで協力して登下校をフォローしたり、預かったりと、我が子もよその子も関係なく接していたのです。ですから、子どもの呼び方も、親しみのある呼び捨てであったように記憶しています。
 このOBの皆さんのような付き合い方は、とても重要なことであると私は思っています。学園を巣立った後の人生の方が当然長い訳です。これからの長い人生の中で、絶えず周りに、何時でも何でも話が出来る仲間がいることは、多くの親族より心強いものではないでしょうか。
 この事業目標は、私としては当たり前のこととして、出来たら早い時期に外したいと考えています。そうしないと、むらさき会の中で、保護者同士の友愛精神が育まれていないことになってしまうからです。
 何か、厳しいコラムになってしまい申し訳ありませんでした。ただ、私は、子どもたちのために、むらさき会とむらさきOB会には、運命共同体であって欲しいのです。ただ、それだけです。

校長  情報ID 53025 番  掲載日時 03/13/2013 Wed, 09:56