改善するために 



 あるスポーツの外国人コーチが「なぜ、日本のコーチはあんなに怒るのだ。もっとちゃんとつかめと怒鳴っているけど、つかめないから落としたのだろう。」と呟いていた、という話を耳にしたことがあります。
 
 相手に失敗される度に、「怒ってしまう」、「怒鳴ってしまう」、「小言を言ってしまう」、「ため息をついてしまう」。これらは、多くの方が体験したことがあるのではないでしょうか。確かに、物事によっては同じ事を何度も言わないとなりませんし、何度も失敗されれば頭にも来るし、怒鳴りたくもなってしまいます。怒ったりするのは、効果的なコミュニケーション方法の一つではありますが、いつも同じでは効果が下がってしまいます。そこで、何度言っても失敗するなら伝え方が悪いのではないか、教え方が悪くて相手が理解できていない可能性があるのではないかと、自分を顧みることも大切だと思います。
 
 もしかすると、相手は怒られるのが怖くて、とりあえず「はい」、「すいません」、「分かりました」などとしか言えないのかもしれません。教えている側は、「何で分からないのだ」、「何でそんなこともできないのだ」と相手に自分の理想を押し付け、すべて思い通りに動かない相手のせいにしているのではないでしょうか。
 
 本当に相手の成長を願っていれば、相手の性格や未来像を把握する必要があると思います。自分の都合や理想を押しつけても、合意が無ければ相手は動きません。興味の無いことを理由にいくら怒って伝えたところで「馬の耳に念仏」です。相手が単に理不尽に怒られていると感じては何の効果もありませんし、モチベーションを下げ、「自分はダメな人間だ」と、自分のセルフイメージを下げることになり、成長できなくなってしまいかねません。そこで、相手が同じ失敗をしないように注意すべきポイントを絞り、良い結果が出るよう、むしろやる気が上がる(意欲を持たせる)アドバイスをするのが適切でしょう。
 
 きちんと、相手が受け止められる形で「怒り」を見せつつも、相手の成長につながるように「叱って」みてください。きっと良い結果が見えてくると思います。

木村 修二  情報ID 51347 番  掲載日時 11/27/2012 Tue, 17:56