校長の独り言【389】 



 親子とは、辞典には次のようにあります。
「親子(おやこ、しんし)とは、親と子のことである。また、その関係。「親子」という語は父母と子の関係を意味する語であるが、生みの親と子の血縁的な関係だけでなく、養親と養子の関係も指す。また、親分と子分の関係、親方と子方の関係など、習俗上親子関係になぞらえた関係(擬制的親子関係)を指しても用いられる。」

 親子とは何か。
「親は子どもをもった時からこの問題を考え始め、そして自分が死ぬまでこの問題を考えつづける。たいていの人は、その結論が出る前に、この世を去る。」と芥川龍之介が書いているようです。また、「人生の悲劇の第一幕は、親子となった時に始まっている」とも侏儒の言葉にあるともありました。

 教員になって、実に多くの親子と接点を持ってきました。そして、様々な事象に直面してきました。ですから、時々、「親子とは何か」と自問自答してしまいます。

 でも、いろいろな親子の事象は、「親がこどもの真の気持ちを分からない」、逆に「こどもが親の真の気持ちを分からない」だけのような気がしてなりません。
でも、これが一番難解なのかもしれません。

 関連することで、親離れと子離れの問題があります。
 天声人語にこんな記事がありました。
『親離れと子離れ、どちらがむずかしいのだろう。今年2月の本紙歌壇に一首があった。〈どれだけの覚悟で言ったことなのか君は知らない「好きにしなさい」〉今村こず枝。「なかなか怖い歌。一語に籠(こ)めた母親の覚悟」は選者の永田和宏さんの評だ▼事情は想像するしかないが、へその緒を再び切るような思いの一時(いっとき)が、母親にはあるのかも知れない。作家の森崎和江さんが「母性とは、抱く強さと同じ強さで放つもの」と書いていたのを思い出す。抱くことだけに一途(いちず)では駄目らしい▼とはいえ、昨今は親がかりの期間が延びるばかりのようだ。ベネッセ教育研究開発センターが大学生の保護者に聞いたら、4年生の親の約4割が就職活動を助けていた。ネットや雑誌で情報を集めるなど、父親より母親の方が熱心だという▼調査の結果、就活だけでなく大学受験も含めて「高学歴の母親が自分で情報を集め、子の進路決定に関わっている姿」が浮かび上がるそうだ。ありがたい親心か、自立を妨げる干渉かは、その母、その子によるだろう▼何年か前、アメリカから「ヘリコプター・ペアレント」という言葉が入ってきた。頭上を旋回するヘリのように子を見守り、すぐ降りてきては指示や助け舟を出す親、という揶揄(やゆ)だ。日本の大学生の親にも多いらしい▼履修登録についてくる、授業の欠席連絡を親がよこす――など珍しくもないと聞く。となれば「へその緒」つきの社会人も結構いるのだろう。叱り方ひとつにも注意がいる。』

 これもまた難解です。


校長  情報ID 49969 番  掲載日時 09/19/2012 Wed, 10:35