校長の独り言【361】 



 昨日は、賞与の支給日でした。と言っても教職員にではなく、生徒に支給しました。
生徒に賞与を支給する学校。珍しいと言うより、世界中を探してもおそらく本校しかないと思います。
 これは、障害のある生徒への職業教育の一環で、年間を通して、製本作業やダイレクトメール等の作業で得た工賃をプールしておき、年度の終わりに、作業に係わった生徒全員に賞与として渡しているものです。
 学年と作業に携わった時間数により金額は異なりますが、私から、一人ずつ「ご苦労様でした」と賞与と書かれた封筒を渡すと、生徒のみんなは両手でしっかり受け取り、大きな声で「ありがとうございました」と笑顔で答えていました。過去に、この賞与をどのようにするかとの質問に、「CDを買います」、「お母さんに渡します」、「貯金します」等の答えが多くありましたが、保護者の方の中には、初めて子どもが働いて得たお金ということで、神棚や仏壇に供えた方もいらっしゃいました。
 しかし、担任の先生方からは、出来るだけ貰ったお金を使うことをお願いしています。やはり、お金を得て、自分の為に使える喜びを知ることは、職業観の育成につながるのです。これこそ、生きた教材であると思っています。

校長  情報ID 46804 番  掲載日時 03/02/2012 Fri, 08:11