校長の独り言【333】 



 夏休みも3分の1を終えました。この間に、全国高等専修学校協会体育大会があり、日頃の練習成果を存分に発揮し、各種目とも立派な結果を残しました。大会終了後は、部活動の練習と合宿、特に3年生は、「進路決定の年」であることから、会社見学、学校見学等の活動にと、懸命にこの夏休みの一日々を大切なものとし活動しているようです。
 我々教員も生徒に負けないように、先週の5日(金)に、平成23年度高等専修学校進学研究会(第25回中専協夏季研究協議会)をアルカディア市ヶ谷で開催しました。今回は、高等専修学校における職業教育を、都内13校の高等専修学校の生徒の授業の実際を実演と映像を通して観て頂き、中学校の先生方に高等専修学校を深く理解して頂きたいという目的をもって開催しました。本校も映像で参加を致しました。
 冒頭で、私から「高等専修学校の概要説明」を20分させて頂きました。
 説明のポイントは、
①現在社会の問題点
15~24歳の若年層の完全失業率約9%、非正規雇用率約32%、フリーター183万人、ニート約63万人、新規学卒者の早期離職が中卒7割、高卒4割、大卒3割、高卒就職内定率77.9%・大卒就職内定率68.8%、卒業後に就職も進学もしない大学生15万人、高校生5万人、これが今の日本の現状であること。
 
②後期中等教育機関の現状
既存の高等学校で学びにくい生徒の増加に伴い、通信制、定時制の生徒の増加、この10年間で通信制高校の学校数は2倍以上に増え、1/3は1年間で1単位もとらず、卒業生の4割は、就職も進学もしていない、かつ定時制高校の様子もすっかり様変わりしてしまった。この現状から、京都府は定時制・通信制在り方について再検討に入るとのこと。

③高等学校と高等専修学校の格差はない
高等専修学校も高等学校等就学支援金の対象校であり、その他の保護者授業料等負担軽減も同様である。卒業後の進路に関しても、高等教育機関への進学、就職は高卒求人、公務員試験は人事院規則で高等学校同様に初級対象であり、生徒にとって格差は存在しないこと。

④この問題解決のためには
既存の学校において、キャリア教育・職業教育の欠如が最大の問題点であり、この悪循環を止めることが出来るのは、既存の学校制度の中で、高等専修学校が最短距離にいると考えていること。
 
 この高等専修学校進学研究会で、高等専修学校の教育に対して、多くの理解者が増えることを期待してやみません。

校長  情報ID 43712 番  掲載日時 08/09/2011 Tue, 13:45