校長の独り言【257】 



 東京都教育委員会(※都教委)は、作成費用約1千万円をかけて、全74ページの「学校問題解決のための手引」を教職員向けに作成したとの報道がありました。学校に理不尽な要求をする保護者(モンスターペアレント)が社会問題化しているため、都教委は都内の公立学校・幼稚園の全教職員7万人に配るとのことです。
 都教委が手引書作成に踏み切ったのは、2008年に実施したモンスターペアレントの実態調査では、都内全公立校・園の約1割で、保護者らの要望をめぐるトラブルがあり、その要求がエスカレートするなど解決困難になった事例があったからのようです。
 この報道を受けて二つのことを思いました。
 一つは、この問題は、保護者の我が子への深い愛情や強い思いが根底にあるからだと思います。私も二人の子どもをもつ親ですので理解できるところはありますが、親も先生も願いは一つであり、それは子どもの幸せだけであります。この点を双方がしっかり確認できれば、後はそのことをどの様に伝えるかの話の仕方であって、いくらでも早期に解決出来ることがあるように思えてなりません。
 もう一つは、1千万円の作成費用をこの問題にかけるのであれば、経済的に学びたくても学べない子どもたちを何人救えることが出来るかと思うと、すごく複雑な気持ちになってしまいます。

校長  情報ID 35121 番  掲載日時 02/02/2010 Tue, 13:59