校長の独り言【234】 



 教員という仕事に従事して30有余年、この間に実に多くの知人から、プライベートで子どもの教育のことで相談(中退、進路変更、不登校等)を受けています。「キャリア教育」(=社会的・職業的自立に向け、必ず必要な知識、技能、態度を育む教育)「職業教育」(=一定の又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、態度を育む教育)の観点から、その相談内容を振り返ってみると、子どもの前の障壁を親が率先して取り除いたり、先回りして回避させたりする傾向が強く思えてなりません。
 昔の人は、「苦労は買ってでもしろ」と言いました。今、これこそが子どもの真の自立への近道ではないでしょうか。
 あるニート・引きこもり支援団体のNPO法人代表の方が、ニートから抜け出るにはどうしたらいいのかという問いに対して、代表の方は「親力(おやりょく)」が最も重要だと言っています。子どもをしっかりしつけ、育てて社会に出していく力。ただし、親にだけ責任を押しつけることは不合理であり、「個人は社会環境の中でしか改善できない」のだから、途切れてしまった外部との関係を修復するため、地域社会と連動しながら社会復帰に取り組まなければならない、とも話しています。

相田みつをさんの作品の中にこんな詩がありました。

「肥 料」 
あのときの
あの苦しみも
あのときの
あの悲しみも
みんな肥料に
なったんだなあ
じぶんが自分に
なるための

校長  情報ID 32477 番  掲載日時 09/04/2009 Fri, 16:19