校長の独り言【190】 



  新聞にこんな記事がありました。
<教員>「教頭から教諭へ」など希望降任が過去最多106人
07年度に自ら望んで教頭などから降任した公立学校の教員は、過去最多の106人(前年度比22人増)に上ったことが、文部科学省の調査で分かった。理由は「健康上の問題(精神疾患含む)」が53%、「職務上の問題」が27%など。文科省は「主幹教諭に業務が集中するなど、割り振りがうまくいっていないケースがある」としている。
 一方、生徒と信頼関係が築けないなどとして「指導力不足」と認定された教員は3年連続で減少し、371人(同79人減)だった。
 指導力不足教員は小学校193人、中学校88人、高校62人など。在職20年以上のベテランが228人と61%を占めた。06年度からの継続認定が241人で、07年度に新たに認定されたのは130人(前年度比82人減)。文科省は減少の理由に、学校で予防的研修を行うなど早期対応の取り組みが進んだことなどを挙げた。また、試用期間(1年)の後で正式採用とならなかったのは過去最多の301人(前年度比6人増)。うち293人(同12人増)が依願退職し、103人(同19人増)は病気が理由。死亡した5人のうち1人は自殺だった。

 私もそうですが、本来、子どもが好きで、子どもたちとふれあえる仕事がしたいとの理由で教員になったのですが、やはりそこには理想と現実の大きなギャップがあったのでしょうか。でも、この教頭先生の気持ちも私には理解できるところもあります。

<学校選択制>大きな格差、男女比にも偏り…都内28市区
 学区外の小中学校にも通える学校選択制度を巡り、毎日新聞が東京都内28市区の教育委員会を調査したところ、今春の各校の入学率(校区内で住民登録している就学者数に対する入学者数の割合)に、8.1~326.7%と大きな格差があることが分かった。人気校と不人気校の固定化が進み、区部では新入生が1けたの学校が7校、10人以上20人未満が23校ある。男女の希望者数も偏り、男子が3割未満の中学も出ている。
 入学率は、その学校が児童・生徒にどれほど選ばれたかを示す。各校の今春の数値を尋ねたところ、品川区では初の小中一貫校となった旧第二日野小が326.7%に達した一方、近隣の小学校は27.8%に落ち込んだ。江東区では、統廃合がうわさされた中学校の入学者が7人となり、わずか20.6%。小規模校を避ける動きは、どの地域にも共通している。
 文教地区にあってクラブ活動が盛んな学校には志願者が集まりやすい。一方、小規模校では廃部やチームを結成できない部も相次ぎ、他校に流れる子も少なくない。
「荒れている」「いじめがある」のうわさで生徒が減る学校もあり、調査には「風評の影響を受けやすい」(武蔵村山市)との声も出た。

 正に、公立学校の私学化の証であると思います。我々私学は私立学校法施行と同時に、言葉は適切でないとか思いますが、学校経営という観点ではすでに同一学種間のサバイバルが始まっていました。ましてや、この少子化、公立学校改革、経済状況の悪化の中で、懸命に建学の精神を継承し、かつ時代に即した教育の展開を絶えず視野に入れ、独自の教育を推進しています。ですから、公立学校の私学化はこれからの時代の子どもたちにとって、最良の教育環境が整う大きな要因となり、21世紀の日本にとっても良いことであると言えると思います。
 しかし、私学にとってはライバルが増え、益々精進しなくてはいけないとも感じています。

校長  情報ID 27294 番  掲載日時 10/25/2008 Sat, 11:07