校長の独り言【144】 



 2月23日 の朝日新聞の記事です。 
『学生支援へ大学動く 自閉症などの発達障害
 各地の大学で近年、自閉症やアスペルガー症候群など発達障害とみられる学生が目立っている。人間関係などに難しさを抱え、大学に通わなくなる学生もいる。京都大学や信州大学など、支援体制づくりに乗り出す大学が出始めた。京都大学では、高機能自閉症の3回生男子(21)を、学部教職員やカウンセラーがチームで支えてきた。
 「遠回しな表現を理解できません」「否定的な言葉かけに過剰反応します」。合格後すぐ、母親は、問題点をファイルにまとめ、理解を求めた。大学側は、高校の担任からも話を聞き、相談役を決めた。かかわる全教職員で情報を共有した。
 1回生の6月、この学生が教務課に退学届を手に飛び込んできた。「京大生としてやっていけない」。語学で音読がよくできていないと指摘され、パニック状態だった。1時間ほどじっくりと聴くと、落ち着いた。
 相談役の職員(56)は、今も年6回面接をする。学生は「いつでも相談できて助かった」。京大は今後、様々な障害のある学生支援を、大学全体で継続して進めるセンター設置を検討中だ。
 富山大学は4月、学内のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を立ち上げる。対面の相談が苦手な学生は、カウンセラーとネット上でやりとりできる。
 「孤立させたくない」と斎藤清二保健管理センター長(57)。年100人ほどの新規相談者中、昨年は1~2割に発達障害が疑われたという。多くは、過去に診断を受けていない。「知的レベルが高く、気づかれずに来た」と斎藤さんはいう。
 信州大学は、4月から、「学生支援コーディネーター」を置く。精神科医や臨床心理士と学生の個別支援計画を作る。
 国立特別支援教育総合研究所などが05年度、全国の大学や短大の相談担当者らに実施した調査では、過去5年間で約760校のうち3割が、発達障害の診断があるか疑いのある学生の相談を受けていた。』
   
 いろいろな学種で、彼らへの支援体制が整うことは大変嬉しいことです。しかし、卒業時の就職指導、その先の職場定着のためのフォロー体制を早急に整えてもらいたいと強く思います。そして、日本中のあらゆる学種で、早急に、すべての支援体制が整うことを願ってやみません。

校長  情報ID 23456 番  掲載日時 02/25/2008 Mon, 11:22