校長の独り言【105】 



 私は様々な場面で本校の教育を説明する時に、必ず「A君の担任は全教員である」が本校教育のモットーであると話していますが、本日、恒例のスピーチコンテスト予選会を通してこのモットーを改めたいと考えました。
 このスピーチコンテストでは、様々な個性、様々な過去を持つ生徒が、自分自身が人間的に成長した証のように、「私は不登校でした」、「私は高校を中退して」、「私の家庭は」等、自分の過去を振り返りながら、今の、更には未来の自分について胸を張り語ります。どうでしょうか、我々大人の社会で考えると、よほど気心が通じない限り自分の過去を自分の口から第3者に伝えることは皆無に近いはずです。しかし、本校の生徒は、みんな明るく自分の過去を話します。この姿は、本校での生活によって過去の自分を乗り越えたことができたからであり、さらに乗り越えたことで大きな自信となっているのだと思っています。
 つまり、その話し手は本校を最良の居場所であると確信し、聞き手の先輩、同級生、後輩は、話し手の話を自分と置き換えることで、自分自身の過去を乗り越える大きなヒントを得ることができます。そこには素晴らしい相関関係が成立しているように思えてなりません。
 ですから、本日より本校の教育のモットーは、
     「A君の担任は全教員であり全生徒である」と改めたいと思います。

校長  情報ID 19436 番  掲載日時 06/11/2007 Mon, 14:57