校長の独り言【93】 



 武蔵野東学園むらさきOB会会報「むらさき草」第14号より
 『夢は必ず実現します』
                                   清 水 信 一
 この言葉は学園創立者である北原キヨ先生の言葉です。
 平成十八年の四月に北原記念館の四階に開設されました念願の友愛寮。この一年でスタッフ、利用者、そして利用者の保護者の努力と連携により他に類のない通勤寮の形を作り上げられたと確信しているところです。
 しかし、無認可でスタートした友愛寮が開設初年度であるにも関わらず、十月より障害者自立支援法の施行に伴い、NPO法人での運営に切り替え、グループホームとケアーホームの認可をいただき、さらに利用者の金銭的負担を軽減することが出来ました。その後、何とか学園として独自に運営できないかと模索した結果、内閣府の規制改革・民間開放室に規制改革の提案をしたところ、まず、文部科学省より「私立学校法上、学校法人が障害福祉サービスを提供することを禁じる規定はありません。」と回答がありました。その後、厚生労働省より「障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスの指定基準を満たせば、グループホームとして事業を行うことは可能。」との回答がありました。
この両省の回答を受け、平成十九年四月一日をもって友愛寮を武蔵野東学園で運営することになりました。金銭的負担金の軽減も含め、更に利用しやすい友愛寮となります。北原キヨ先生の言葉通りに、夢は実現しました。私といたしましても喜びでいっぱいであります。
 しかし、先日ある方から「後は成年後見人制度の仕組みだけですね」とお話をいただきました。本学園の自閉症教育は、三歳から十八歳の教育カリキュラム、卒業後のフォロー指導体制、余暇活動への支援、そして、親亡き後の自立のためのグループホームの開設と、学校法人としては他に例のない体系を作り出してきました。この様な状況下で、すでに、むらさきOB会では、昨年の十月に社会保険労務士のグループの皆さんのご協力をいただき、気軽に相談ができる窓口を構築し、その研修会を終えています。もちろん高等専修学校の保護者研修会においても、すでに成年後見人制度の研修会を開催しました。ですから、ここから発展して、将来的に、「武蔵野東自閉症者成年後見協会」のようなものが組織されることにより、武蔵野東学園の自閉症教育の真の完成だと思っています。ここまでの完成をみて、はじめて北原キヨ先生に「夢が実現したね」と言っていただけるような気がしてなりません。何とか、私が在職中にはと思っているですが・・・・・。
 今後も学園は、『自閉症児とは一生の付き合い』の更なる具現化の為に努力して参りますので、卒業生保護者の皆さんのご理解とご支援を切にお願い致します。
 

校長  情報ID 17848 番  掲載日時 03/08/2007 Thu, 13:12