校長の独り言【82】 



 今日の朝日新聞にこんな記事がありました。
『教育再生会議報告に「発達障害への偏見助長」と抗議
自民党の尾辻秀久元厚労相、公明党の福島豊衆院議員らは29日、政府の教育再生会議がまとめた第1次報告書について、「発達障害の子どもへの偏見を助長しかねない表現がある」として説明を求める公開質問状を、同会議の野依良治座長あてに提出した。』
 この問題となる部分は、
7つの提言の2.学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする
(2)いじめている子供や暴力を振るう子供に厳しく対処、その行為の愚かさを認識させる の説明   文の3つ目の表記です。
《○学校は、いじめや生徒、教員に対する暴力などの問題行動や反社会的な行動をとる子供を排斥するものではなく、保護者や地域の住民などの協力者も入れて、十分に話し合い、理解を得るための努力を払いつつ、警察との連携も視野に入れながら適切な指導を行う。その際、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、アスペルガー症候群や虐待等による行動ではないか等、問題行動の背景に十分に注意する必要がある。》
 抗議の理由として、『報告書の中には、障害児教育について一切記述がないにもかかわらず、この部分でだけ発達障害について触れると、障害児がいじめの加害者になる可能性が高いと一般の人びとから誤解される』と言うものでした。
 この様な考えがある中、私は、1月25日の校長の独り言【80】に次のように書いています。
『また、提言の最後に、私にとって大変嬉しく、かつ期待をする項目がありました。それは、「教育再生に向けての今後の検討課題」の「1.教育内容の改革」の中にあった3項目です。全部で12項目掲げられているのですが、
⑦心身の障害、LD、ADHD等の発達障害、・・・・・・個別の指導を要する子供に対する、きめ細かいニーズに応じた指導・支援のあり方
⑪高校、専修学校、高専等における社会ニーズに即した教育体制の強化
⑫職業教育・産業教育のあり方
是非とも、今後の活発な議論を願い、5月の第2次報告書の中に必ずや明記され、早期に具現化されることを期待しています。』と。
 障害児教育に携わるものとして、私はまだまだ考え方、物事の取り方が甘いのでしょうか。実に、考えさせられました。
 

校長  情報ID 17171 番  掲載日時 01/30/2007 Tue, 10:15