校長の独り言【78】 



 昨日、特定非営利活動法人NPO高等専修教育支援協会の臨時総会が開催されました。この臨時総会で、多くの人が忘れかけている「日本人のこころ」、情・人情をつくづく感じました。
 実は、この臨時総会は本校のためだけに招集されたものでした。ご承知のように、平成18年4月にオープンしました友愛寮は、むらさきOB会の皆さんと協議を重ねた結果、無認可でスタートをいたしました。しかし、無認可故に補助金がなく受益者負担が大きくなるため、利用しにくいところがありました。折しも、昨年10月より障害者自立支援法の施行に合わせて、NPO法人での運営に切り替えることを考えました。しかし、今からNPO法人を立ち上げるのには時間がないことから、既存の特定非営利活動法人NPO高等専修教育支援協会に運営のお願いをさせて頂いたのです。昨年4月のNPO法人の総会で定款変更を含め議論して頂き、晴れて友愛寮は東京都よりグループホームとケアーホームの認可を受け、利用者の金銭的負担を軽減することが出来ました。その後、何とか学園独自で運営できないかと模索した結果、内閣府の規制改革・民間開放室に規制改革の提案をすることにしました。まず、文部科学省より「私立学校法上、学校法人が障害福祉サービスを提供することを禁じる規定はありません。」と回答がありました。その後、厚生労働省より「障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスの指定基準を満たせば、グループホームとして事業を行うことは可能。」との回答がありました。
 この両省の回答を受け、平成19年4月1日を目標に友愛寮をNPO法人の運営から学校法人武蔵野東学園の運営(金銭的負担金の軽減も含め、更に利用しやすい友愛寮を目指して。)に切り替えることにしました。しかし、運営を切り替えることは容易に出来るものではありません。まず、NPO法人の友愛寮の運営を終了するという総会議事録が必要となり、さらに、学校法人としても寄附行為の変更をしなくてはなりません。まして、4月1日を起点に切り替えるためには、双方の必要書類を2月1日までに東京都に提出しなくてはならないことから、再び、無理を申し上げてNPO法人に昨日の臨時総会を開催して頂いたのです。ですからいくら子どもたちの為とは言っても、すべて本校の我が儘からの定款変更、臨時総会であった訳なのです。
 この様な背景から、昨日の臨時総会では多くの先生方からお叱りを受ける覚悟で参ったのですが、私からの経緯説明の後、遠方よりご参加頂いたにもかかわらず、「仲間じゃないか」、「困ったときは時はお互い様」、「高等専修学校を支援する為のNPOでないか」等、大変温かい言葉を掛けて頂き、ありがたいことに反対意見は全くなくご承認を頂きました。
 この様な立派な先生方に囲まれている自分を幸せと思い、さらにこのようなこころを持つ先生方が教育を行っている高等専修学校という学種を誇りに感じた次第です。
 多くの先生方の大きな情・人情を感じた分、必ずや友愛寮を素晴らしいものにします。

校長  情報ID 16948 番  掲載日時 01/18/2007 Thu, 17:03