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4月の顔 校長 石橋 恵二 平成19年度がスタートしました。1か月が経過して子どもたちはずいぶんと疲れたことでしょう。それには、1年生はもとより、2〜3年生はクラス替えと担当の先生が替わったことに大きな理由があります。生徒たちは「誰と一緒だからおもしろそうだ」とか「盛り上がりに欠けそうだ」とかと家庭で言っていなかったでしょうか。中学生ですからそのあたりは適度に辛抱していたり流して考えていたりすることができたかもしれませんが、実は結構な力が4月には働いているのです。極端に言えば、たった一人の生徒だけがクラス替えになったとしても、副担任の先生が替わったとしてもクラスの空気は変化するものです。それが2分の1とか3分の1の生徒が入れ替わり混ざり合うのですから、生徒は自ずとまわりに気遣いをし、かなり高いテンションをもって自己主張をし、自分の居場所を確保しようとし始めます。不安もあるので「群れ」を作ろうとする気持ちも働きます。 先生たちはそんな4月の生徒の心の動きをとらえながら、「初めが肝心だ」と考えて、授業のオリエンテーションを通して力を込めて生徒たちに教え諭していきます。CDE組においては、新しくなった先生を試してくるような生徒がいますが、それを見越し先回りしてさまざまなアプローチをかけ、「今年度は私があなたの担任です!」と生徒の心の中心に担任を据えさせ安定を図ります。要するに4月というのは「この先生はこんなことを求めてくる先生らしい」と生徒が気づき、「これは今までと違うから気をつけないと」と、ちょっとした決心をする時期なのです。 こうしたひとつの営みが済んだ今、どのクラスも安定し新芽を吹き出してきました。クラスが安定したということは、それぞれの子どもも落ち着いているということです。そう言うと、本当にどの子も安定しているのかという質問を受けそうですが、(健康面は別にしても)私はみんな大丈夫ですよと言い切ります。そう言い切るとますます心配されるかもしれませんが、今は「全体を見て個を知る」ことをしているのです。クラスから外れている生徒はいないだろうか、全体から見て斜に構えている生徒はいないかと先生たちは注意深く見ています。個性を見てそれを伸ばすことも個を大切にすることも教育の大前提であることは充分承知しています。しかし全体を見て個を知ろうとする側面もなければいけないと私は考えます。私は全体がよければそれでよしという考えをしているのではありませんが、最近の教育が個を見つめようとするあまりに全体を見渡し把握できなくなっているように思うことが時々あります。個人をよくみようとするならば、一点をずっとみているのではなく、もっと全体から広く見渡して多面的に子どもを見ていく必要性もあるのだと思うのです。一方で相反することかもしれませんが、生徒の表情や一つの出来事から、今度はもっとその生徒一人の人間全体に広げて理解しようとする「個的全体性」という考えもなければいけません。4月の滑り出しは今年もうまくできましたが、中学生の5月6月にはいくつかの波が起こってくることも想定しながら次の指導に入ることにします。
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