顧問イワモトのコラム「ちょっと語っていいですか」

<2006年W杯期間記念号> 

【祭りの最中(さなか)に想う・・・】

 サッカーをこよなく愛する皆さん、こんにちは。超久しぶりのコラム執筆です。何と半年振り。いやあいろいろと紆余曲折ありまして・・・。なんていうのは嘘です。単にさぼってました。極わずかの読者の方々、大変申し訳ありませんでした。今年度こそは、月一でがんばりたいと思います。

 さて、ワールドカップも決勝トーナメントに突入。ベスト8が出揃いました。盛り上がってますねえ。 しかし。我らが日本代表、負けてしまいましたね・・・。残念です。悔しいです。 ですが、現実を受け入れるしかありません。ただ僕は大会が始まる前から決して楽観視はしてませんでしたので、負けた事実を引きずることはありませんでした。実際プロ化まだ十数年の国がそう簡単には成り上がれるほど甘い世界ではないですからね。ただ、今回は改めて世界との大きな差を見せ付けられ、まだまだ日本サッカー界の真の発展までは時間がかかるだろうという思いが大きくなりました。

世界との差を縮められなかったジーコは、まちがっていたのでしょうか?

 もちろん、4年間という年月を請け負った訳ですから、当然責任はありますよね。メディアが連日報じていた彼の批判も正しいところがあると思います。「個」を重視したジーコの方針は今思えば確かに時期尚早であったかも知れません。でも目指すところは決して間違いではなかったと思います。ただジーコが目指すサッカーを実現できるほど、日本の選手達はまだ成熟していなかった。そこを見極められなかったことは、ジーコもまた世界で戦う一国の代表監督としては未熟であったのかもしれないですね(おお、何と偉そうな!神様ジーコを批判してしまいました)。

 さて、次期監督にオシム氏をという方向で動いていますが、僕は次期監督を誰がするかというのももちろんですが、今後日本サッカー協会がどうやって将来の発展のためにU−23以下の各カテゴリーを強化していくのかに注目したいと思っています。

 今回僕が感じた世界の強豪国との最も大きな差というのは、技術・体力もそうですが、それよりも個々の持つ「メンタリティの強さ」です。この場合の「メンタリティ」は「精神力」という言葉ではなく「人間力」と言った方がいいかもしれません。

今大会が始まる前に、某国営テレビのスペシャル番組で、アンゴラのアクワ、ドイツのバラック、そしてウクライナのシェフチェンコをそれぞれ取り上げ、彼らのW杯にかける強い思いを本人のインタビューを交えて伝えていました。彼らがただ一サッカー選手としてだけでなく、それぞれの国の不幸な情勢や歴史により、自らが置かれた境遇の中でとてつもなく大きなものを背負った一人の人間として、その背負ったもの大きな力に変えた精神状態でこのW杯に臨むのかというところを目の当たりにし、日本人選手にはそんなところあるはずもなく、何となく一抹の不安を感じたのです。しかし、もちろん日本という国の情勢の中で生きている以上、彼らのような「とてつもなく大きなもの」を背負うようなことはまずないことです。したがってそういうものに対抗するためには、「究極の負けず嫌い」になるしかないのかなと思いました。 

ところが、いざ大会が始まってみると、日本代表選手の中には(あくまで個人的な見方ですが)、中田英ただ一人しかいなかったような気がします。もちろん、他の選手だって負けることを簡単に受け入れられるような気持ちではなかったと思います。しかし窮地に立ったとき、その「負けたくない気持ち」を全身全霊で表現し、力に変えられた選手はやはりヒデだけだった。彼の「人間力」は、まさしく世界レベルであったと言えるでしょう。

 もちろん、世界で勝ち抜くためには、この「人間力」が全てではあるはずはなく、技術・体力の大きな向上が当然必要なことは言うまでもありません。しかし、力が高いレベルで均衡した場合、最後はこの「人間力」がものを言うのではないでしょうか。

 例えば、先日のオランダ対ポルトガル戦。4枚のレッドカードと16枚(?)のイエローカードが出てしまった前代未聞のあの1戦です。超荒れたこの試合内容を賞賛するつもりはありません。世界中のサッカー少年達にとって憧れの存在たちがしてはいけない試合だったかもしれません。しかしあの試合では、両国の選手にサッカー少年達を考える余地などは全くなく、互いの崇高なプライドを賭け、凄まじいまでの勝利への執念を終始これでもかというぐらいにぶつけ合い続けてました。まさに「闘い」でしたね。(その闘いに結局は引き込まれ、感動してました。)このような闘いを制したポルトガルの選手達の方は、オランダ選手達よりもわずかに「人間力」で上回ったのではと、僕は思います。

 さあ、日本サッカー協会は今回の反省を踏まえ、今後どのような方針で日本サッカー界をリードしていくのでしょうか。楽しみですね。僕も指導者の端くれとして、微力ながら「人間力」のある選手を一人でも育てるべく、日々精進してまいりたいと思います。 

そして、我が尊敬するジーコ様、住友金属およびアントラーズ時代を含め、今まで日本サッカー界のためにご尽力いただいたこと、心から感謝申し上げます。ぜひこれからも世界のサッカー界にその名を残していってください。これからも勝手ながら僕の心の師とさせていただきます。

 <追記>

各報道機関の方々へ:渋谷で暴れた若者達を、「サポーター」と呼ぶのはやめてください。

武蔵野東中学校サッカー部顧問

岩本 淳二
 

 
 
<2005年12月号>

 【さよなら2005年】

 サッカーを愛する皆さん、こんにちは。早いものでもう2005年が幕を閉じようとしています。今年のサッカー界もいろいろありました。ということで、今年最後のコラムは私の日本サッカー10大ニュースで締めくくりたいと思います。

 1位 日本W杯出場決定  ・・・いやあひやひやした時もありましたが、よかったよかった。

2位 ガンバ大阪Jリーグチャンピオン・・・大混戦を制しました。でも大黒、関口宏のFPで捻挫してる場合じゃない!

3位 ジェフ千葉ナビスコ杯チャンピオン・・・ガンバ同様、初タイトルおめでとう!

4位 ヴェルディ天皇杯チャンピオン・・・あの頃は勢いあったけど。

5位 ヴェルディ2部落ち・・・夏はレアルに勝ったっけ。天皇杯も勝ったのに。ユースは強いのに。

6位 レイソル2部落ち・・・特にコメントなし。

7位 かつての代表戦士たちの引退・・・沢登選手、相馬選手、お疲れ様でした。

8位 日本、コンフェデレーションズ杯でブラジルと分ける・・・俊輔のミドルシュート、良かったねえ。

9位 海外クラブでの日本人選手増加・・・松井いい。平山もがんばってますね。小野はどうなる?

10位 武蔵野東中学校、地区新人戦で決勝トーナメント進出。
           ベスト16に!  
  ・・・すみません、うちわネタで。

  とりあえず思いついた順に挙げたので、たぶんじっくり考えるとまだ他のことの方が良かったななんて思うかもしれません。みなさんの10大ニュースはどんな感じですか?  

  ということで、何かと忙しい年の暮れ、みなさん体調にはくれぐれも気をつけて、よいお年をお迎えください。

Have a merry Xmas & a happy new year!

武蔵野東中学校サッカー部顧問

岩本 淳二

 

<2005年11月号>

【そして誰もいなくなる・・・】

サッカーを愛する皆さん、こんにちは。いよいよ寒くなってきて、指導者にとってはつらい季節がやってきました。できるだけ必要以上にデモンストレーションを行って体温上げてがんばりたいと思います。

さて、Jリーグがいよいよ大詰めですねえ。とんでもない大混戦を制するのはいったいどこなのでしょうか?そんな中、優勝争いからは大きく外れてしまった清水エスパルスの沢登正朗選手が現役生活にピリオドを打つことになりました。彼は私と同年齢です。高校時代からスター選手だった彼も、もうそんな時期に来たんだなあと感慨深くなりました。別にファンであったわけではないのですが、同じスポーツをしてプロを夢見た同世代としてはやっぱり羨ましかったり、憧れたり、心のどこかで応援していて、そんな選手が引退していくというのは寂しくなります。同時に、自分も体力が確実に衰えていっている年齢なんだと改めてブルーになってしまいます・・・

彼は現役選手の中で「ドーハの悲劇」を体験した数少ない選手の一人でした。当時はまだ若手選手でしたから、フランス大会や日韓大会にも出られるチャンスはまだあったのですが、次々に出てくる次世代のタレント達にはかなわず、代表に定着することはできませんでした。でも、いい選手でしたね。Jリーグ創生期を支えた一人であることはまちがいないでしょう。ご苦労様でした。

ところで、「ドーハの悲劇」を体験した現役選手は誰が残っているかわかりますか?私の記憶が正しければ、沢登選手よりもさらに年上のあの2人だけだと思います(ちがっていたら誰か教えてくださいね)。そうです、カズ&ゴンの2人ですよ。彼らはやっぱりすごいですねえ。もう30代も終わりに近づいているにもかかわらず、まだまだ選手として貪欲にサッカーを追究し続ける姿勢には頭が下がります。衰えは隠せないものの、どこかやっぱり輝きを放てる2人のことはずっと応援していたいですね。

しかし、そんな彼らにもいつかは選手生活に別れを告げるときがやってきます。そのとき、ドーハで歴史的な悲劇に身をおいた人がついに一人もいなくなり、日本サッカーのひとつの時代が終わるのですね。日本サッカー、日本代表を愛してやまない彼らが安心して引退していけるような環境が今よりももっと整って、もう出る幕は一切ないなと思わせることができる素晴らしい選手達で溢れているような日本サッカー界にしなきゃいけないですよね。

 カズとゴン、彼らが引退する時はまちがいなく泣いちゃうだろうなあ。ということで、今回はこのへんで。 

武蔵野東中学校サッカー部顧問
岩本 淳二

 

<2005年度10月号>

【経験値】

 サッカーを愛する皆さん、こんにちは。超久しぶりのコラムです。特に待ちわびていた方はいらっしゃらないとは思いますが、今までさぼっててすみません。

 さて、月日は流れ、本校サッカー部の選手たちも少しずつですが成長を遂げてきました。すでにご存知の方もいるとは思いますが、10月1日から始まった中体連第10支部サッカー新人大会(注)において、思いもよらぬ(と言ったら選手に失礼ですが)結果を出しました。

まず1次グループリーグを2勝1敗の2位で勝ち抜き、創部以来初の決勝トーナメント進出を果たしたのです!

リーグ最終戦の対立川3中戦は、1勝1敗同士の互いに決勝トーナメントがかかった対決となりました。得失点差の関係で立川3中は引き分けでもトーナメント進出、本校は勝たなければトーナメント進出ができないという苦しい状況でした。しかも実力的には相手が上。勝つことは簡単ではないという事実が目の前にありました。しかし選手達にはマイナスイメージを一切持たせたくなかったので、前日にはマインドコントロールのごとく「お前たちは絶対に勝てる」と信じ込ませるように努めました。しかしただ精神論を説いてもそれは不可能なので、相手チームの誰がキーマンで、どう対処すればよいか、また自分達は同攻撃すれば得点を奪うことが出来るかを具体的に示しました。

実際、すべてがプラン通りにいった訳ではありませんが、選手達は非常に高い集中力で最後までよく闘いました。今までの彼らなら終盤に集中が切れ、崩れていくことが多かったのですが、押し込まれながらも耐え抜き、相手の攻撃を抑え、1−0で本校にしてみれば歴史的勝利を収めたのです。本当によく頑張りました。

この経験で、彼らに非常に大きな自信が芽生えたようです。先日行われた決勝トーナメント1回戦、さらに実力では上の国分寺一中との試合で、この大きな経験が生かされました。ボールを支配され押し込まれながらもワンチャンスをものにし、前半終了直前に先制したのですが、直後のロスタイムで追いつかれてしまいました。その後も押し込まれることが多い中、先の試合同様の集中力で追加点を許すことなく、1−1のまま延長戦を耐え抜き、PK合戦の末勝利を収めたのです。

おそらく以前の選手達であれば同点にされた時点でマイナス思考になり、崩れて追加点を許したことでしょう。しかし、「まだ終わっていない。俺達は行けるんだ!」という気持ちの表情を誰もがしていました。実際にハーフタイムに互いに叱咤激励し合う様子を見て、私自身もまだ大丈夫だと信じることができました。

耐え抜いて勝利を収めた経験が彼らをひとまわり成長させたようです。まだまだ技術的には非常に未熟な彼らですが、戦い抜ける「心」という武器は強力ではないかもしれませんが身につけられたようです。

さて、実は今これを書いている翌日に決勝トーナメント2回戦(ベスト16)を控えています。相手はさらに強豪校ですが、少しばかり変化を遂げたぬるま湯生活に浸ったお坊ちゃんたちが、どんな戦いを見せてくれるか楽しみです。さあ結果やいかに!?

武蔵野東中学校サッカー部顧問
岩本 淳二
 

(注)中体連10支部・・・小金井市国分寺市小平市立川市国立市昭島市 の6市で構成。国公私立計42校参加。

   新人大会・・・参加校を10グループ(4チームないし5チーム)に分け、それぞれリーグ戦を行う。上位2チームが決勝トーナメント進出。

 

 

<2005年6月号>

【称えるしかないでしょ!】

サッカーを愛する皆さん、こんにちは。

やりました!W杯出場決定! いやあ、ほっとしました。これでまた世界水準を経験し、日本サッカーが少なからず発展することになります。選手のみなさん、本当にお疲れ様でした。そしてありがとう。決して楽とはいえなかった最終予選。ですが残り1試合を残して決定できたことは、やっぱり日本は強くなったんだなあと(フランス大会のときはプレーオフまでいきましたからね)、単純に考えてしまう楽観主義の筆者であります。

でも、最後のイラン戦は、ぜひ勝って、1位通過も決めてもらいたいですね。何といっても日本は現アジアチャンピオンなんですから、プライドを賭けて戦って勝利を収めて欲しいものです。

というような先の話をしている今(本日は6月22日です)、選手達はコンフェデの真っ最中であり、そんなことをじっくり考えてる暇はなし。実は今夜ブラジル戦を控えているわけで、全くゆっくりすることなんて出来ないわけですよね、選手達は。超ハードスケジュールです。

でもその中でもプロとして、国の威信を賭けて、あるいは自分の地位を確保するために、そして現在の日本のレベルを自ら知るために闘いつづけなければならないのです。肉体的にも精神的にもかなりきついところだと思いますよ。でもやらなきゃいけない。つらいですよねえ。しかしそんな彼らは実に逞しくかっこいい。こんな若者達だったら娘を嫁にやってもいいぞ! 

・・・ちょっと横道にそれてすいません。とにかく皆さん、そしてやたらとわかったような口ぶりで代表のこと、ジーコのことを批判しちゃう人々、何だかんだ言っても彼らは日本のトップであり、我々には到底理解できない強烈なプレッシャーを常に感じながら日々闘っているわけです。我々ができることは、魂こめて応援することだけに徹しましょう!

・・・まあそう言いながらも、私も指導者の端くれとして、代表戦も色々と自分なりに分析して、あーだこーだ言っちゃってますけどね。でも、所詮日本サッカー協会のお偉いさんではないですし、代表を経験したプレイヤーでもない。根本はサッカーと日本代表をこよなく愛するサポーターの1人ですから、ジーコや選手達を否定することは決して出来ないと思っています。

日本でサッカーの文化が南米やヨーロッパのようになるのはまだまだ先の話だとは思います。ですが、今の代表選手たちがその礎を今しっかりと築いてくれてると僕は思います。

来年のW杯出場を決めてくれた選手たち、そしてジーコ監督また数多くのスタッフの方々に素直に感謝しましょう。そして今まで以上にジーコジャパンを支えていきましょう!

武蔵野東中学校サッカー部顧問
岩本 淳二

 

<2005年5月号>

【やばいのか!? ニッポン!】
 
サッカーを愛する皆さん、こんにちは。キリンカップ、見ましたか?参りましたね。6月3日のバーレーン戦が不安でたまらなくなってしまった方もさぞ多いことでしょう。何といっても悲惨なほどの得点力不足。ここ3試合で1点だけですからね。しかもその1点はオウンゴール。こりゃまずいぞと思われるのも当然です。
 でも考えてみてください。日本には未だにロナウドやアンリのような絶対的なエースストライカーが存在していませんし、ジダンやロナウジーニョのようなイマジネーションあふれる、類稀なスキルをもったスーパースターもいない。となればそのような攻撃陣で実力が均衡したチームと対戦して、やたらと得点できるというわけにはいかないですよね。連続して無得点もそりゃあるでしょ。
 このように考えれば、まあかなり無理やりですけど少しは納得してあきらめもつくのでは?もちろん頑張って得点して欲しいですけどね。
 しかしですねえ、守備に関しては、ちょっと深刻じゃないかなあと僕は思うんですね。まずここのところ無失点で乗り切った試合はW杯最終予選と今回のキリンカップで、わずか1試合だけです。今回のキリンカップでも、1対1での対応のまずさやアプローチの甘さ、技術(コンタクトスキルを含めた)の未熟さ、ポジショニングやマークのずれといった個々の守備力の低さがとても目立っていました。ただこのような個人的な問題点は以前からのものですし、一朝一夕に克服できるものではない。となるといかに常にコミュニケーションを絶やさず、組織立ったグループでの守備が終始一貫して必要かということになるわけですが、どうも集中力が持続できない。キリンカップの2試合での失点はまさにそうでしたよね。
 とにかく不安は尽きないわけですが、実際にプレイするのは選手であり、われわれがどうこう言ってても仕方がない。バーレーン戦、北朝鮮戦、ともに勝利してくれることを信じるしかないでしょう。気合いだー!ニッポン!

武蔵野東中学校サッカー部顧問
岩本 淳二

 

<2005年4月号>

【フェアプレー&スポーツマンシップ】

 サッカーを愛する皆さん、こんにちは。
先月のことです。ある中学校同士の試合(大会)で、私が主審を務めました。その中でイエローカード2枚、レッドカードを1枚出すことになってしまいました。今まで、警告を出すことがあっても、退場させたことは1度もなかっただけに、そのような試合になってしまったことは非常に残念に思いました。
 警告・退場を出した状況はこうです。拮抗した試合展開で迎えた後半、両チームともにやや激しさを増し、また疲れも伴って不要なファールが増えてきました。その都度私からも特に後方からのファールに関しては口頭での注意を繰り返して行ってはいましたが、ある選手が悪質なファールをし、された選手はファールをした選手を思い切り蹴飛ばしてしまったのです。当然報復行為ですので一発レッドカードで退場。その直後退場した選手に向かって、相手チームのある選手が「ざまあみろ」と言いました。これは反スポーツ的行為といって、警告されるべきことなのでその選手にも即イエローカードを出しました。そして最初のファールを行った選手にも後方からの悪質なファールということで警告しています。中学生の試合でこのようなことでいっぺんに3枚のカードを出さなければいけなくなってしまったことは重ね重ね残念でなりません。
 フェアプレー精神で試合をしていても、やはり時にはファウルをしてしまうものです。でもファウルはファウル、相手に対して特に痛みを伴うようなファウルをしてしまった場合はすぐにあやまるべきですし、ファウルをされた側もお互い様と言うことで許してあげることが必要です。自分のチームにフリーキックが与えられるわけですし。
 しかし今回の警告、退場の発端となったファールは感情的なファウルであり、またそれに対して感情的に報復した、また罵ったというような行為はやはりスポーツを行う精神からは大きく逸脱しているもので、今後この選手達が同じ過ちを犯さないよう、しっかり指導してもらいたいと思いました。一緒にプレーする仲間だけじゃなく、相手がいて、審判がいて、運営してくれる人たちがいて、支援してくれる保護者や先生達などがいて初めて試合ができるということをしっかりと理解し、感謝できるような選手になってもらいたいと思います。
 この年度始めという機会に、全ての選手が改めてフェアプレーとは何か、スポーツマンシップとは何かということを学び、尊重できるように、私を含めた指導者たちは全力を注ぐべきでしょう。そしてそれが義務であることを、改めて強く感じていくべきだと思います。本校の選手達は、今のところ決して上記のようなファウルを犯す選手はいませんが、今後も誰一人としてそういう選手にならないよう、日々の指導に力を入れたいと私も改めて決意しているところです。
 ということで、希望に燃える新年度のスタート、頑張りまーす!

 

 

<2005年3月号>

【卒業生たちへ】

 サッカーを愛する皆さん、こんにちは。早いものでもう卒業シーズン。当然我がサッカー部の3年生6人も、20日の卒業式をもって本校を旅立ちます。3年前にはまだ声変わりもせず、ハナタレ小僧たちだった彼らがいなくなるというのは、やはり寂しいものです。
 前々回のコラムで、私の指導者としての信念を偉そうに語ってしまいましたが、果たしてこの卒業生たちに私が何をしてあげられたのだろうかと、正直自信をもって送り出すことができません。彼らを見て、この3年間の指導がどうであったのか考えると、つくづく反省することばかりです。もっとこう教えるべきだったとか、もっと良い環境を作ってあげるべきだったとか、もっとコミュニケーションをとる時間を増やすべきだったとか・・・、「もっと、もっと」といったことが次々に頭に浮かんできます。
 でもそういう指導者のもとで、彼らは良くやってくれました。後輩達に残した物も数多いと思います。今の1・2年生達には、その財産を大切に守るよう指導し、そして私自身は数多くの反省の上に立った、優れた指導ができるよう努力していきたいと思います。
 6名の3年生のみんな、3年間お疲れ様。彼らの今後の人生が可能性に満ちた素晴らしいものであることを信じ、ごく一部の読者の皆様もぜひエールを送っていただきたいと思います。みんなー、がんばれよー!
 

追記:今年度のコラムはこれをもって終了です。私の勝手なつぶやきを読んでいただいた方々、心より感謝申し上げます。来年度はさらにパワーアップ(?)して魂こめて執筆していく所存でありますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

<2005年2月号>
「Go For 2006!」

 サッカーを愛する皆さん、こんにちは。始まりましたね、W杯最終予選。いやあビビリました。危うく引き分けのところでしたが、何とか勝って良かったですね。勝負は最後まで諦めちゃいけないということを、またも日本代表は教えてくれました。そういえば、前々回のW杯フランス大会の最終予選も大変でしたよねえ。
 覚えている方も多いと思いますが、いわゆるあの「ジョホールバルの歓喜」に至るまで、本当に苦しい戦いでした。いよいよこれはだめかという崖っぷちから這い上がり、悲願のW杯出場を決めたあの1997年から早8年。そういえばあの最終予選が始まる前に私はワイド画面のTVを買い、まだ一度も故障していないそのTVで今回も応援を頑張ります(いちおう分析もやってます)。
 まあそんなことはどうでもいいんですが、やっぱり前回大会のように自国開催は大いに盛り上がりますが、最終予選を突破して出場権を勝ち取るというのは何だか燃え上がる気持ちがあって、W杯に出られる喜びが選手達もサポーターにとってもより大きなものになるんじゃないでしょうか。
 それにしてもジーコジャパンは真剣勝負では安心させてくれる試合は全くないといっていいほどですね。アジアカップもW杯予選もとにかくハラハラ・ドキドキの試合ばかり。先日のカザフ戦、シリア戦を見てきっと「日本は強い」とか「最終予選も大丈夫だ」なんて思った方も多いんじゃないでしょうか。でもそうはうまくいかないもんですよね。ある程度力が均衡した国同士の最終予選。国の威信や、自分のサッカー人生をかけるほどの戦いになるわけですから(日本選手にはそういう悲壮感はあまり漂いませんが)、簡単に勝てる試合なんて1つもないでしょう。だからこそその中でしっかりと勝利をつかむためには、当然相手を上回る個々のスキルや戦術もさることながら、最後には強靭な精神力が試合を左右するんじゃないですかね。
 今の日本代表のメンタリティーは確実に向上していると思います。加えて数々の苦しい戦いを乗りこえてきた貴重な経験値が他の国々よりも高いということで、苦戦はするものの最後にはきっと良い結果をもたらしてくれると、ぼくは信じています。かなり希望的観測ですが、確実に2位以内に入ってくれるでしょう。
 さあ、次は3月25日にアウェイでイラン戦です。その5日後にはホームでバーレーン戦があることを考えると、絶対に負けられない戦いがここにはあるわけで(どこかで聞いたことがあるような・・・)、緊張しちゃいますね。
 それにしても、ぼくが中学生だった頃を考えると、日本でこんなにサッカーが盛り上がる時代になったことはひたすら嬉しい限りです。これからもっともっと盛り上がるためには、やはり2006年のドイツ大会に出場することがまず何より大事です。
 みなさん、辛く厳しいものになるかも知れませんが、魂こめてともに戦い抜きましょう!

 

2005年新年版

 サッカーを愛する皆さん、そしてごくごく一部の愛読者の方々、今さらですが新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
 では早速2005年1発目のたわ言をお読みください。

 私はよく選手達に、「サッカー選手である前に、1人の中学生として、人間として成長していくことがまず大事じゃないか」というような内容の話をします。中学校時代、すなわちジュニアユースの世代は、いわゆる「※ゴールデンエイジ」とちがい、「※クラムジー」に陥りやすい世代でもあります。ですから技術だけでなく、持久力や瞬発力を高めたり、サッカーの視野を広げさせ、戦術理解力や判断力を養うことに力を入れていくことが必要と思われます。
 したがって小学校でのトレーニングと、中学校のトレーニング内容は必然的に異なってきます。しかし、指導上注意すべきことで異なる点は単にトレーニング内容だけではないと私は考えています。
 まず思春期に入っていく中学生の現状を捉え、彼らが精神的にどの程度成長してきているのかを指導者はしっかりと認識した上で指導に向かわなければいけないと思っています。
 つまり、色々と揺れ動く気持ちを抱えながら、大人への第一歩を踏み出していかなければいけない時期にいるそれぞれ異なった個性をもつ選手達に、サッカーだけを教えていればいいというわけではないということです。具体的には、ユースという自立期に向かう彼らにとって、礼儀やマナー、自立心、自己管理への意識やコミュニケーション能力、協調性、自尊心とともに周囲の人への思いやり、思考力と判断力、困難なことにも立ち向かう勇気、向上心などといったことを身につけさせていくことを大切にし(全てサッカーというスポーツには必要なものばかりだと思います)、そして、学校での英語・数学といった勉強をおろそかにさせないことだと思います。もちろん、この全てを完璧に持ちあわせることなど大人でも不可能だと思いますが、念頭に入れるべきだということです。
 もし上記のようなことを無視して、仮に技術的には非常に優れた選手たちを育て、強いチームを作ったとしても、その指導者は決してすぐれた指導者であるとは思えません。やはり、大切な成長過程にいる選手達を指導する以上、人間的な部分の指導をおろそかにはできません。サッカーを通じて人間を育て、同時に自分自身も成長していくことを信条とすることが、サッカーに限らず全ての分野での「指導者」と呼ばれる者達の心得ではないかと私は思います。
 人間的にしっかりと成長した選手達の中からこそ、ゆくゆくはJリーガーや日本代表といったトップ選手になることが望ましいのではないでしょうか。そういう選手であればきっと少年達に大きな夢を与えられると思います。前回に書いたジーコや中田英、イチロー(サッカーではないですが)などは正にそういう選手だと想像できますよね。
 さて、ここまでやけに偉そうなことを言ってきてしまった私自身、まだまだ未熟な指導者ですし、まだまだ未熟な人間です。「勝つこと」と「育てること」のギャップに悩むことも確かにあります。ですが少しでもサッカーを通じて、中学生たちの人間的な成長を促していけるよう、また私自身も日々成長していけるよう努めていきたいと思います。
 そして、いつの日か人間的にも尊敬される、優れた日本代表選手が私の教えた子の中から出ることを夢見て、これからも天下の弱小軍団(みんな、ごめん!)、武蔵野東中学校サッカー部の指導を頑張ります!

※クラムジー・・・体の感覚が狂い、習得した技術が一時的にできなくなったり、上達に時間がかかったりすること。
※ゴールデンエイジ・・・即座に技術の習得ができ、あらゆるスキルを獲得できるとされる時期。9〜12歳ごろとされています。

追記:今回は本当に随分と偉そうなことを語ってしまいました。おそらく「そんなことおまえに言われたくないよ」とか「そりゃあちがうぞ、あんた」などといった苦言をいただきそうですが、あくまで私の持論ですので、勘弁してやってください。
ちなみに今年の私の抱負は、現在持っているライセンスをワンランクアップさせ、「B級コーチライセンス取得」です! しかしそれには高い経験値とお金と時間が必要なのだ・・・。無理かも。

 

2004年最終版 「我が心の師 ジーコ」

 サッカーを愛する皆さん、そしてごくごく一部の愛読者の方々こんにちは。なんと早くもコラムの更新です。今回はジーコについて書くと前回宣言してしまったので、予定通り現日本代表監督ジーコのことを語らせていただきます。というかジーコ大好きな私が少年時代からどれだけ彼のことを勝手に師として崇拝してきたか、そして今でもなお崇拝し続けているかを書くだけで、現在彼に関してメディアが報じているような賛否をここで論じるつもりはありませんので、あらかじめご承知おきください。ということで前置きが長くなりました。一読ください。  

 ジーコに魅せられたのは今から24年前、私が小学校5年生の時です。TV番組「三菱ダイヤモンドサッカー(懐かしい!)」【注1】で、彼がカナリヤ軍団の一員として華麗なプレーをサッカー少年たちに見せつけていたあの時です。その翌年、ジーコはトヨタカップで来日しました。あの時は国立競技場の芝生が黄色くて、スーパースターの彼に対してあんなピッチでプレーさせたなんて、今思うと彼には大変申し訳なく思います。MVPに選ばれたジーコがもらったトヨタ車、最近まで使っていたと聞いていますが、今でも使っているのかな?それはともかく、あの時のプレー、今でも忘れません。点を取らなくてもこんなに人を感動させるプレーってあるんだと、サッカーを始めて間もない私は彼に釘付けでした。あの日ぼくは将来フラメンゴでジーコと一緒にプレーするのが夢となりましたが、当然叶わず残念です。

 2年後、スペインのW杯に10番をつけて出場したジーコを、NHKで中継がある限り夜中に起きて見てました。彼を中心とした黄金の中盤がいるブラジルは間違いなく優勝だと、1次リーグを終えた時点の戦いぶりを見て私は確信しました。きっと誰もが、そしてジーコ自身もそう思っていたのではないでしょうか。それなのにあのバカロッシ!そう、2次リーグ【注2】最終戦のイタリア戦、引き分ければ準決勝進出が決まるブラジルからこともあろうかハットトリックをしちゃったあのイタリアのパオロ・ロッシです。おかげでブラジルは負け、W杯から姿を消してしまいました。あの朝私はショックで朝錬を休んでしまったのをよく覚えています。でも今でもあのスペイン大会で最も美しく魅力的なサッカーをしていたのは、間違いなくジーコがいたブラジルです。

 それから10年が経ち、引退していたジーコが何と日本に選手として、しかも日本リーグ2部の住友金属(後の鹿島アントラーズ)で復活するというニュースを聞いて、とてつもなく大興奮しました。そしてついにJリーグ開幕!そこにまさかジーコがプレーするなんて!信じられない気持ちで見ていましたが、開幕戦で何とハットトリック!とても40歳を過ぎた選手とは思えませんでした。3点とも彼らしい美しいゴールでした。そしてそのファーストステージで、見事アントラーズを初代のチャンピオンチームにまで導きました。日本に来てからこの優勝までの過程と苦労、そしてジーコの熱い信念は彼の著書「ジーコのリーダー論」を読むとよくわかります。また彼がいかに尊敬に値する人間かがはっきりと理解できます。「神様」と言ってもやはり過言はないかなと思わざるを得ません。ちなみにこの本は私の人生のバイブルとなっています。

 翌年、ついに完全に現役を引退しました。日本のために力を尽くしてくれた彼に心の底から感謝するとともに、とうとう選手でなくなることへの悲しさと彼の偉業に対し、私は涙を止めることはできませんでした。ありがとう、ジーコ!さようなら!

と、心で叫んでから8年、いつかなってくれるだろうと思っていましたが、日本代表監督として帰って来てくれました(もちろんその間アントラーズにはずっと関わって日本にはしょっちゅう来てましたが)。またまた大興奮です。正直、代表監督経験もクラブの監督の経験もないことに不安を覚えないことはなかったですが、でもジーコのことですからきっと信念をもってやり遂げてくれるはずだと思いました。

苦しみながらもW杯1次予選を突破し、まずは第一関門をクリアしました。最終予選の組み合わせも決まり、北朝鮮との対戦などで早くもマスコミはヒートアップしていますが、

ジーコ率いる日本代表は冷静にそして着実に準備を進め、万全の体勢で臨んでくれると信じています。予選なしで出場できた前回と違い、今回は日本サッカー界の真価が問われるものになると思います。その責任を担わなければいけないジーコは今どんな気持ちなのでしょうか。もちろん選手達もそうだとは思いますが、相当なプレッシャーを感じていることは確かでしょうね。でもきっと世界で数々の修羅場をくぐり抜けてきた彼と彼が率いる日本代表は2006年、必ずドイツのピッチにいてくれることでしょう。そして前回を上回る成績で日本サッカー界の更なる発展へと導いてくれるはずです。

 みなさん、ジーコを信じましょう。そして彼が信頼して選んだ選手達を信じましょう。来年、苦しみながらも1位突破で出場を決めて、満面の笑顔を見せるジーコを今から想像するのが今の私の日課です。私が勝手に師匠と崇めるアルツール・アンツネス・コインブラ(ジーコの本名)さん、いつかあなたに会える日を夢見ています。

 最後にたった一つだけジーコに苦言を。「もうそろそろ日本語覚えようよ。」

 追記 最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

今年も残り少なくなりましたが、皆さんにとってどんな年でしたでしょうか?日本サッカー界にとってはアジアカップ優勝やW杯1次予選突破など、明るい大きなニュースが多かったですね。私事で恐縮ですが、今年はC級ライセンスを取得し、少しだけ私もステップアップできたかなと思っています。来年はより指導者としてより多くの経験を積めるよう、謙虚に頑張りたいと思います。ということで、これで今年は最後です。次回はまだ未熟ではありますが、ジュニアユース世代に必要なことは何か、私が考えるところを語らせていただきます。では皆さん、良いお年を!

 

 皆さん今日は。久しぶりのコラムの更新です。特に待ちわびていた方はいないとは思いますが、とりあえず暇な時に読んでみてください。

 さて、先日行われた2006年W杯1次予選、日本代表vsシンガポール代表の試合を観戦してきました。5万5千人以上の大観衆の中、1−0で日本代表が勝利を収めましたが、内容はというと気温と同じくちょっとお寒いものでしたね。今回の試合には、カズやゴンといった日本サッカー界の功労者を代表に召集しようという考えがジーコ監督にはあったようですが、最終的には実現せず、控え組み中心のメンバー構成でした。この考えには賛否両論あると思いますが、私もやはりカズやゴンを召集するのは反対でした。その理由ですが、まず消化試合とはいえ、労いのために(ジーコの真意は正確にはわかりませんが)今現在代表クラスのプレーができないベテランを出場させるのはやはりシンガポールに失礼です。それにやはり控え組みの選手達の経験値を上げるのは今後のことを考えるととても重要だと思われるからです。しかし前半間もなく、本山が力みすぎて?キーパーがせっかく正面にはじいてくれたごっつぁんゴールチャンスを逃したのを見て、今のがカズとかゴンだったらたぶん魂のこもったシュートがネットに突き刺さったんじゃないかなあなんて正直思ったりもしました。まあ希望的な妄想に過ぎないかもしれませんが。みなさんはいかがですか?

 「カズ」と「ゴン」、この2人のFWは完全にピークを過ぎ、あと何年現役でいるかわかりません。でもこの2人がもつオーラって今のFWの選手にはないものがありますよね。技術、スピード、体力どれをとっても今の代表FW陣よりも劣っているのは否めません。でもやっぱり久保とか鈴木とか高原よりも、何か華があるんだよなーって思うのは私だけじゃないと思うんですけどねえ。だからといって2人が代表入りするべきだとは言わないですよ。ただ今の選手達が、実力があっても「カズ・ゴン」コンビよりも華のある、彼らを越えるスター選手になる可能性ってあまり感じないんですよね。前回のコラムで書いた柳沢も結局ダメそうですしね。やっぱり中田英の存在感を上回れる、華のある強烈なエースストライカーって日本にはまだまだ出てこないんですかねえ。
 何はともあれ、日本代表1次予選突破おめでとう!!Go for 2006!

※次回はできるだけ早く更新したいとひそかに思っています。ジーコのことを書こうかなと思ってます。ごく一部の読者の方々、お楽しみに。

 

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